• No.1 匿名

    15/11/05 00:08:05

    ■都教委は控訴などの対応を検討

     この裁判の一義的な争点は、懲戒免職処分が妥当だったかという“処分の軽重”の問題だった。しかし、その背景には「教師は生徒にどこまで踏み込んで関わるべきか」という問題も潜んでいる。

     判決後の記者会見で、男性教諭は「確かに一部の行為は不適切だったかもしれないが、当時は、育児放棄や金銭を与えられないなど両親から虐待を受けていた女子生徒を救いたいという気持ちだった」と弁明。また同席した別の男性教諭も「都教委は問題がある生徒について、教師個人ではなく学校全体で対応していくべきだというが、現場を知らない。生徒は信頼できる先生かどうかで助けを求めるかを決める。一部のメールが仮に不適切だったとしても、熱意からの行動だった」と擁護した。

     一方、都教委は「判決は誠に遺憾だ。(控訴などの)対応を検討する」とするコメントを出した。

     ■専門家「問題解決システムの構築が必要」

     学習塾を長年経営し、現在は教育評論家として活躍する小宮山博仁氏(66)は「さまざまな問題を抱えている生徒に対し、現場の教師が機械的に接するのは望ましくない。ただ、どんな理由であれ、未成年の教え子に性的なメールを送るのは不適切で、教師失格と言わざるをえない」と指摘する。

     しかし一方で、「学校全体で対処すべきだった」との都教委の主張について、「都教委は言葉だけで、具体的な自治体主導のシステムが構築されているとは言い難い。悪く言えば現場の教師に“投げっぱなし”で、そうした都教委側の不備も問題の背景にあったのだろう」とも分析する。

     「問題生徒の存在を把握した場合、臨床心理士やスクールカウンセラーを介在させ、教師だけで対処しないシステム作りが急務だ。入学時などに『悩みがあれば先生にどんどん相談してほしい。ただし、その場合は先生だけでなく、専門家と一緒に取り組む』と生徒や保護者に説明すれば、生徒が『信頼している先生に悩みを打ち明けたのに、他人に明かされた』と反発するリスクは減るだろう」

     その上で小宮山氏は「今後、この男性教諭が教壇に戻った場合、保護者や生徒から厳しい目が注がれるだろう。男性教諭には相当の覚悟が必要になるが、反省して良い教育者になってほしい」とエールを送った。

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