住宅火災 子ども３人と女性１人が重体 宮崎

ＮＨＫ

小学生３人と
女性１人死亡

３世帯が住む３階建ての住宅から火が出た火事で、意識不明の重体になっていた小学生３人とこのうちの１人の母親の合わせて４人の死亡が確認されました。

警察と消防が火事の原因などを調べています。

３階建ての住宅から火が出ていると、近所の人から消防に通報がありました。

この火事で、２階の部屋に住んでいて意識不明の重体になっていた中村知子さん（４３）と、長男で小学６年生の優宇さん（１２）、それに遊びに来ていた優宇さんの同級生の田畑陽仁さん（１２）と宇都琳舜さん（１２）の合わせて４人の死亡が確認されました。

住宅は鉄骨３階建てで３世帯が住んでいるということです。

　鉄骨３階建てビルから出火、約２時間３０分後に鎮火した。
　現場は都城市役所の北約７００メートルの中心市街地。

朝日デジタル

店舗兼住宅が燃えているのをパトロール中の警察官が見つけた。

　１階が倉庫で、２階に美容室、スーパー店員、中村竜二さん（４５）宅、３階にいずれも無職の中村誠さん（７８）と野口タツさん（８７）宅が入っていた。

　現場はＪＲ都城駅から南西に約２キロの商店や住宅が混在する地域。

　死亡したのはエステサロン経営の中村知子さんと長男の
優宇（ゆう）君、
田畑陽仁（はると）君＝同市都島町＝と
宇都（うと）琳舜
（りんしゅん）君＝同市甲斐元町。

無職野口タツさん
（８７）が軽いけがを負った。

３階建て店舗兼住宅から「煙が出ている」と目撃者の男性が１１９番した。

　中村さん宅はﾋﾞﾙの2階にあり、死亡した4人は全員2階で発見された。

田畑くんと宇都くんは先月31日から優宇くんの家に遊びに来ていて、泊まっていたという。

　警察は出火元や原因について調べを進めている。

日ﾃﾚNEWS24

火災があった建物では、火が消えた後も煙がくすぶり続けていた＝１日午後０時３７分

ＮＨＫ

１階から出火か

倉庫などとして使われている１階部分が最も激しく焼けていたということです。

１階部分のおよそ７０平方メートルと２階の壁などが焼けました。

１階部分は以前、中村さんの家族が鮮魚店を経営していた場所でいまは倉庫などとして使われているということです。

警察と消防は建物の１階部分から火が出て煙が２階に広がったとみて出火原因などを調べています。

鉄筋コンクリート造りの３階建ての建物が南北の方向に内部で２つに仕切られた構造になっています。
北側の２階には美容室があり、３階には美容室を経営する親子２人が住んでいて、一方、南側の２階には亡くなった中村さん親子と夫の３人が住んでいたということです。

中村さんの夫と夫の父親は当時、外出していました。

南側の１階から３階はいずれも建物内部の階段でつながっているということで、警察などによりますと煙は短い時間でこの階段を伝って２階に広がったとみられるということです。

４人が搬送先の市内の病院で死亡した。

他に３階に住む別世帯の女性（８７）が搬送されたが、喉をやけどする軽傷。

３階には中村さんの義父（７８）も住んでいる。

　４人には目立った外傷はなく、煙を吸い込んで死亡した可能性があるとみて死因を調べる。

　現場はアパートや商店、商業ビルが密集して建ち並んでいる。

黒煙充満、救出阻む　駆け戻った父ぼうぜん　

　２階に残る子供たちを助け出そうと、父は黒煙の中に飛び込もうとした。

小学生３人を含む
４人が犠牲になる惨事となった。

「煙がすごくて何も見えなかった」。

集まった近隣住民は、不安そうに消火の様子を見守った。

　近所に住む５０代の女性は火災発生の約１時間後、死亡した中村知子さんの夫が建物に入ろうとして消防隊員に体を押さえられているのを目撃した。

朝早く仕事に出掛け、火災発生の連絡を受けて駆け戻った様子だったという。

　「子供の友達が遊びに来ている」。

前日から泊まりに来ていた息子の友人たちを案ずる言葉を繰り返す父。

女性は「ぼうぜんとしていて、冷静さを欠いている様子だった」と振り返った。

　近くの男性（６４）は「バンバンと工事をしているような音」で火事に気づいた。

ビルに近づくと１階にある元鮮魚店のシャッターが開いており、奥の方で火が見えたという。

男性は「すぐに煙が充満したので、何もできなかった」とうなだれた。

　夫の実家が近くという４０代女性は
「火事と聞いて慌てて駆け付けた。煙がすごくて何も見えない状態だった」と語った。

南側の倉庫約７０平方メートルがほぼ全焼。

死亡したのはエステサロン経営の中村知子さん、長男の市立めいどう
明道小６年優宇君、友人でいずれも同小６年の田畑陽仁君、宇都琳舜君

激しく煙を出す店舗兼住宅（１日午前９時１４分）

>>18
産経新聞

毎日新聞

仲良し３人組が…　日曜朝の街、騒然

　「優しい、しっかりした子だったのに」。

日曜朝の静かな繁華街で発生した火災。

突然の悲劇に近所の住民や同級生の父母らは驚きと悲しみに包まれた。

　現場は消防車のサイレンがけたたましく響き騒然とした。

発生当初に目撃した近くの自営業の男性（６４）は「工事をしているようなパンパン、バチバチという大きな音が聞こえ、外に出ると建物の１階奥が燃えていた」と青ざめた表情だった。

建物はみるみる煙に包まれたという。

　中村優宇さんと田畑陽仁さん、宇都琳舜さんは都城市立明道小のクラスメートで大の仲良しだった。
　担任の桂原昭二教諭（４８）は田畑さんについて
「忍耐強く、しっかりした子」と話す。

栽培委員会に所属し、花壇で草取りなどを一生懸命にしていた。

運動会では組み体操でピラミッドの上に立ち、足を震わせながらも泣き言を言わずにしっかりと手を広げていた。

小児ぜんそくが治り、中村さん方へ泊まりがけで遊びに行くのを楽しみにしていたという。

　宇都さんはピアノが得意。

５月の学校創立記念日に、堂々と校歌を伴奏した。

優しい性格の一方で、空手やヒップホップダンスを習い、活発な面も見せていた。
　中村さんは体格がよく、運動会では応援リーダーで、クラスのまとめ役。

所属する給食委員会では、低学年の子の面倒を見ていた。

　桂原教諭は
「３人がクラスの仲間と校庭で楽しそうに歓声を上げ、鬼ごっこをしている様子が目に焼き付いている」と嘆いた。

　現場近くに住む男性（８０）は「優宇さんは昔、大病にかかったが、お母さんの知子さんが優しく接していた」と親子の悲報を嘆いた。

　同小は２日の全校朝会で全児童に伝え、市教委とも協議してカウンセラーなどによる児童の心のケアに努めるという。

　４人は黒煙が立ちこめる室内で救急隊員が見つけた。

ＮＨＫ

警察は、火事の煙が１階の倉庫から２か所の階段を伝って４人がいた２階に広がったとみて、２日、消防と合同で現場検証をして出火原因などを調べることにしています。

担任の教諭によりますと、中村優宇さんは人を笑わすことが好きな子どもで、運動会の応援団のリーダーをしていたということです。

亡くなった母親の知子さんは以前、担任に「幼いときに大きな病気をしたので、今は生きていてくれるだけで幸せだ」と話していたということです。

田畑陽仁さんは、算数が得意で、委員会活動では黙々と草花の手入れをしていたということです。

火事のあと、母親は担任に「ぜんそくが落ち着いてきたので、今回、初めて友だちの家に泊まりに行かせていた」と話していたいうことです。
また、宇都琳舜さんは空手などのスポーツのほか、ピアノも得意で、行事で校歌を歌う時は伴奏を担当していたということです。

今週、家族で関東地方に旅行に行く予定で、とても楽しみにしていたということです。

毎日新聞

全校児童約２４０人が黙とうして亡くなった児童の冥福を祈った。

　亡くなった３人がピアノや算数が得意だったこと、運動会で活躍したことなど、それぞれの児童の思い出を話し「皆さんが仲良く勉強し、遊ぶことが３人が一番喜ぶこと。皆さんが楽しく学校生活を送ることを３人も願っています」と語りかけると、児童の間からすすり泣きやおえつの声が漏れ、涙をこらえハンカチを目に当てる姿も見られた。

　同小では同日からスクールカウンセラーが入り、午後には児童の心のケアなどについて伝える保護者会が開かれる。

　保護者らが黙とうした。

　体育館は終始すすり泣く声が響き、ハンカチに顔をうずめ、声を上げて泣く児童もいた。

　この日の朝は通常の集団登校ではなく、母親と一緒に学校へ向かう姿も見られた。

亡くなった３人と同級生の男子児童の母親は「胸が張り裂けそう」と涙ぐんだ。

　ビルには午前９時前、作業服姿の警察官と消防隊員約３０人が集まり、建物の写真を撮ったり寸法を測ったりした。

特に燃え方の激しい１階の倉庫部分を中心に出火原因を調べる。

仕事中に通りかかったという市内の男性会社員（４２）は「ご家族のことを思うと本当に気の毒。何が原因だったのか知りたい」と話した。

漏電？１階の元鮮魚店に冷蔵庫　４人の部屋の真下、現在は倉庫

火元とみられる１階の元鮮魚店に冷蔵庫が置かれていたことが２日、宮崎県警への取材で分かった。

現在は倉庫として使われており、県警は漏電の可能性がないか、稼働状況や燃え方を調べている。

　元鮮魚店は４人がいた部屋の真下で、死亡したエステサロン経営、中村知子さん（４３）の義父
（７８）が以前営んでいた。

最も激しく燃えており、約７０平方メートルをほぼ全焼した。
　実況見分し、元鮮魚店を中心に焼け跡を確認した。

産経ニュース

実況見分をする宮崎県警の捜査員と消防隊員＝２日午前

毎日新聞

４人は煙を吸って死亡したのではないかとみられており、県警は司法解剖で詳しい死因を調べる。

　午後にはスクールカウンセラーを交えた保護者会が非公開であり、学校側が子供たちの心のケアについて伝えた。

園田校長が「食欲や元気がなく、黙り込むなどの変化があったら相談してほしい」と話し、県が派遣したカウンセラーは「子供の話をよく聞き、スキンシップを心がける」と具体的な対応を説明した。

　参加した５年生の父親（５２）は
「子供の変化に気をつけたい」。

犠牲になった児童と家族ぐるみで付き合いがあったという
４年生の母親（３９）は「ショックを受けた。子供が不安がらないよう気をつけたい」と硬い表情で語った。

大病克服したのに　亡くなった男児に
知人ら涙

朝日新聞デジタル

　火災は、大病を克服した幼い命も容赦なく奪った。

ともに病と闘い、成長を励みにしてきた夫婦はその死を悼み、学校では同級生らが涙にくれた。

現場では、原因究明に向け実況見分も始まった。

　火災では、中村優宇君（１２）と母
知子さん（４３）ら４人が亡くなった。

一夜明けた２日午後、実況見分が続く現場を、湯浅寿子さん（３７）＝宮崎市＝と夫の信也さん
（３７）は涙を浮かべて見つめた。

　２人は２００８年、娘の帆乃禾
（ほのか）ちゃん
（当時３）を小児がんで亡くした。

その時、隣の病室で同じ病気と闘っていたのが一つ年上の優宇君だった。

知子さんと寿子さんは、互いに励まし合う仲だった。

　出会ったのはその前年。

最初は会釈をする程度だったが、同じ病気を患っていることを知り、付き合いが始まった。

　「病気に勝とうね！」「笑い合っていこう」。

知子さんもつらいはずだったが、何度も力づけられた。

知子さんは寿子さんの６歳年上。

「母としても女性としても憧れるお姉さんだった」

全校集会で、６年生の男児３人が火災で死亡したことを園田修司校長が伝えると＝２日午前

再び１階中心に実況見分

　宮崎県警は３日、前日に続き、消防と合同で現場を実況見分した。

前日と同様、火元とみられる１階の元鮮魚店を中心に約３０人態勢で調べた。

火元や出火原因を特定する。

県警は漏電の可能性がないか調べている。
　一方、３日、４人は救出時に２階の居間と寝室で倒れた状態だったと明らかにした。

　中村優宇君は幼児期に小児がんを患い長期間入院していた。
優宇君を見守ってきた宮崎市の夫婦は「きつい治療に耐え、病気を乗り越えたのに」と肩を落とした。
　隔離治療が終わると、家族ぐるみで付き合うようになった。
投薬治療などで子どもたちが苦しむ姿は見ていられないほどだった。

産経ニュース

　捜査員と消防関係者＝１１月３日

毎日新聞

　県警都城署は４日、司法解剖の結果、４人の死因をいずれも急性一酸化炭素中毒と気道熱傷と判明したと発表した。

　また市消防局によると、現場検証の結果、建物には、消防法に基づいて市条例で義務づけられた住宅用火災警報器が設置されていないことが判明した。

実況見分をする警察官ら＝上町で１１月２日午前９時１分