俳優で演出家・熊倉一雄さん死去　「名探偵ポワロ」吹き替えなどで活躍

　海外ドラマ「名探偵ポワロ」のポワロの吹き替えや「ひょっこりひょうたん島」の海賊トラヒゲの声で知られる俳優で演出家、熊倉一雄（くまくら・かずお）さんが１２日午後３時２４分、直腸がんのため東京都内の病院で死去したことが１６日、発表された。８８歳だった。

　代表を務めた劇団テアトル・エコーによると、熊倉さんは昨年１１月に舞台に出演し、今年８月には演出を手掛けるなど元気な様子だったという。

　高校時代に芝居と音楽に魅了され、１９５６年に同劇団に参加し、コメディーを中心に活躍。６９年からは「日本人のへそ」などを上演、演出家としても活動を始めた。

　声優の草分け的存在でもあり、「ヒッチコック劇場」のヒチコック監督の吹き替えやアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌も歌うなど多才だった。９１年に紫綬褒章を受章。

　葬儀は親族のみで執り行い、１２月１日午後２時から恵比寿・エコー劇場でお別れの会を開く。

サンケイスポーツ 10月17日