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- 15/09/12 15:38:37
読売新聞
埼玉県ふじみ野市大井の入浴施設「真名井の湯大井店」で昨年9月、減圧室(高さ約2メートル、幅約2・3メートル、奥行き約3メートル)に入った客の男女2人が死亡した事故で、県警は11日、同店を運営する不動産会社「ミサワエステート」(ふじみ野市)の男性役員(50)と同施設責任者の男性社員(43)を業務上過失致死容疑でさいたま地検に書類送検した。
発表では、役員と社員は昨年9月28日、減圧室に客と一緒に入って異常の有無を確認する従業員を配置せずに、客2人を低酸素窒息で死亡させた疑い。
いずれも調べに対し、容疑を認めているという。
事故で死亡したのは、富士見市渡戸の電機部品製造工仲野光男さん(当時65歳)と、知人の同市上沢の介護士神長百代さん(当時58歳)。
2人は昨年9月28日午後4時頃、減圧室に入った。
1回45分間の利用時間を過ぎても出てこなかったため、約1時間半後に様子を見に来た従業員が、2人が倒れているのを発見した。
室内には緊急呼び出しボタンがあったが、呼び出し音は鳴らなかったという。
同施設では事故前、減圧室について、標高3500メートルと同程度まで気圧を下げ、新陳代謝や血行を良くして腎機能の向上に効果があるとPR。
同室は45分後に気圧が元に戻ると、扉が開く仕組みになっていた。
県警は事故後、同室について計30回実験を実施。
その結果、同室の気圧は最低で、世界で2番目に高いK2(8611メートル)を超える標高の気圧まで下がった。
捜査関係者によると、事故当時は「死に至る程度の極端な低酸素状態」となり、標高6000メートル以上と同じ気圧だったとみられる。
県警によると、メーカーが施設側に渡した安全利用の資料では、同室を利用する際、従業員の配置が必要とされており、「常に(利用客)全員の表情に気を配る」「年1回点検する」などの注意事項が書かれていた。
同施設では、これらが守られておらず、同室を2007年7月に導入した当初は、講習を受けた従業員を配置していたが、客からの要望で約1年後に配置をやめていた。
また、13年5月までに不具合で4回修理しており、業務日誌には「異常な高度まで下がり続ける」「始まりから終わりまで1時間半かかった」などの異常が書き残されていた。
これらの事実から、県警は事故の発生を予想できたと判断、2人の書類送検に踏み切った。
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