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- 匿名
- 15/02/18 19:06:53
「欧米のスポーツ」とされてきたテニス。わずか17歳でこの世界の頂点に立ったチャンは、錦織に己の姿を重ね合わせていた。
体格の壁を越え、逆境を跳ね返し、今、二人の東洋人が旋風を巻き起こす。
■アジア人にしては頑張ったね
全豪オープン準々決勝、前回大会の覇者・バブリンカ(スイス)のサービスエースが決まり、錦織圭(25歳)の敗退が決まった瞬間、日本中が失意のため息に包まれた。
だが、現地で試合を見ていた海外のテニスファンの反応は、日本人とはまったく違うものだった。
錦織の健闘を称え、コートを去る背に拍手を送りながらも、観客たちはどこか満足気。「アジア人にしてはよく頑張ったね」
彼らの表情は、そう言っているかのようだった。
米スポーツ誌『スポーツ・イラストレイテッド』で、テニスを専門に取材するベテラン記者のジョン・ワーサイム氏が証言する。
「日本では大人気だと聞いていますが、正直に言って、錦織は海外のテニスファンの心はまったく?んでいません。というより、誰も錦織に興味がないんです。
欧米人が期待し、関心を持っているのは、錦織ではない。自らの国の選手、つまり欧米のスターたちだけです。
では、なぜ錦織の試合が喜ばれたか。それは彼が負けたからでしょう。欧米人は自分たちのスターに懸命に立ち向かった末に敗れる、
いいアンダードッグ(負け犬)が大好きなんです。観客たちが惜しみない拍手を送ったのは、彼らが望む通りそんなシナリオを、錦織が描いてくれたからですよ」
海外のファンが準決勝で見たかったカードは、あくまで、世界ナンバーワンプレーヤーのジョコビッチ(セルビア)と、前回覇者のバブリンカの一戦。
つまり彼らが錦織に期待していたのは、「勝利」ではなく「健闘」だったというわけだ。
錦織に対する、この「人種差別」とも言えるアジア人軽視の風潮。それは、今回の全豪から始まったことではない。
「実力が世界で認められ始めた頃から、錦織はその空気を肌で感じてきたと思います。たとえば、'13年の全仏オープン。
錦織は地元フランスの選手と戦った3回戦で、大ブーイングを浴びました。それも錦織に非はまったくなかったにもかかわらず、です。
相手のフランス人選手は、試合の合間にコーチから助言を受けた。これは禁止行為であるため、主審はペナルティとして失点を宣告しました。
しかしこの判定にそのフランス人は猛抗議し、観客もそれを後押しした。錦織がサーブを打とうとするたびに容赦なく汚い野次が飛び、
ポイントを取るたびにブーイングの嵐が起きた。地元の声援で片付けるには、あまりにも理不尽でした。観客たちの頭には、アジア人に対する蔑視があったはずです」
(錦織を長く取材してきたテニスジャーナリスト)
そして、徐々に世界ランキングを上げていった昨年以降、そんなアジア人への「差別」は、さらに顕著になっていったという。
「『年間10回以上の抜き打ちドーピング検査や、早朝に検査担当者が自宅や宿泊先に突然現れたことがある』と錦織は言っていました。
こんなもの、アジア人に対する嫌がらせ以外の何物でもありませんよ。クルム伊達公子も、深夜に抜き打ち検査を受け、激怒していましたからね」(前出のジャーナリスト)
■同じ境遇の師に出会えた
自分より20cm以上も背が高く、200km/hを超える強烈なサーブを連続で放ってくる怪物のような欧米選手だけでなく、
テニス界にはびこる人種差別という「見えない敵」とも戦ってきた錦織。若い彼はそのプレッシャーに押しつぶされ、大会序盤で格下相手にあっさり敗れることも少なくなかった。
それでも錦織は、苦境に耐え続け、ついに、昨年の全米オープンで準優勝。世界ランキングでも、日本人史上初となるベスト10入りを果たした。
今回の全豪オープンも、実力通り危なげなく勝ち進み、ベスト8まで進出。
バブリンカには敗れたが、大会を通じて、かつてのような「メンタルの脆さ」はまったく見られなくなった。
なぜ、錦織はここまで強くなれたのか。いかにして差別に耐え、乗り越えることができたのか。
錦織一人では、ここまで来られなかった。'13年の12月から専属コーチに就いたマイケル・チャン。
同じアジア系として、同じ苦難を経験してきたこの男がいたからこそ、錦織は強くなったのだ。
2月15日(日)6時2分配信 全文はこちらです
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150215-00042099-gendaibiz-soci
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