匿名
「拉致問題解決が最優先」と言い続ける安倍晋三首相は、北朝鮮による再調査のさなか、衆院を解散した。二〇〇二年に帰国した拉致被害者の蓮池薫さん(57)の兄透さん(59)は「正念場の時期になぜ、衆院解散なのか」と憤る。再会から十二年。兄弟の憂いは消えない。(菊谷隆文)
北朝鮮側は七月、拉致被害者の再調査を始めたが、日本側への最初の結果通告が遅れている。十月の平壌での日朝協議でも大きな成果はなかった。
「心配していた通り、再調査は北朝鮮のペースだ。これからが大事な時期なのに、政治空白をつくるとは」。透さんの表情が怒りでゆがんだ。「安倍首相は国民をばかにしている気がする。北朝鮮が再調査をさらに遅らせる口実にするかもしれない」
再調査は〇八年にも動きはあったが、当時の福田康夫首相が政権を投げ出し、実現しなかった。薫さんらの帰国が実現しても、拉致被害者の家族は政治にほんろうされ、国内で醸し出されたのは「北朝鮮を許さない」という空気だった。
透さんは以前から、安倍首相の外交手腕に疑問を感じていたという。
「日本が経済制裁を解除すれば、何人かが帰国すると思ったのなら見通しが甘い。より北朝鮮との関係が深い中国、韓国と日本の間が冷え込んでいるのに、拉致問題が解決して国交が正常化するとは思えない」
一方、弟の薫さんは今月八日、静岡県菊川市のホールで講演し、今回の再調査が「最後のチャンス」だと訴えた。「北朝鮮に残されている人々の期待は高まっているだろう。それが水の泡になったら、精神的に耐えられるか」
北朝鮮に残された拉致被害者十二人は、最も若い横田めぐみさんでも五十歳。待ち続ける家族も高齢になり、再会できずに亡くなった親、きょうだいもいる。
「拉致で奪われたもので何が一番大きいか。夢と絆だ」。肉親との「絆」を突然、断ち切られてから二十四年間、人里離れた「招待所」という住宅で二十四時間監視される生活を強いられた。
ともに拉致された奥土祐木子さん(58)と北朝鮮で結婚後、二人の子を授かったが、「北朝鮮で死んでいくと思っていた」。
「拉致被害者に夢と絆を取り戻させるには時間がない。政府は粘り強く交渉してほしい。それには国民の皆さんの支持が必要だ」。
満員の約千二百人に語り掛ける薫さんの表情は、最後まで険しかった。
はすいけ・とおる 1955年生まれ。77年、東京電力入社。2009年退職。拉致被害者家族会副代表を務めたが、「拉致問題解決には
北朝鮮との対話が必要」という主張が、経済制裁重視の家族会と合わず、10年に退会した。
はすいけ・かおる 1957年生まれ。中央大生だった78年、新潟県柏崎市の海岸で北朝鮮に拉致された。2002年に帰国。現在、新潟産業大学経済学部准教授。著書に「半島へ、ふたたび」(新潮ドキュメント賞)、「拉致と決断」など多数。
ソース(東京新聞)
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No.1 匿名
14/11/23 21:15:21
家族会を退会したなんて知らなかった。
難しいね。確かに北朝鮮は、制裁を加えれば加えるほど反撃に出てくるような国だけど。
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