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- 匿名
- 14/07/14 15:09:09
【事例発生日付】1995年12月27日
【事例発生場所】静岡県三島市
【事例概要】
新幹線三島駅ホームで「こだま475号」に飛び乗ろうとした高校生がドアに左手の指を挟まれ抜けなくなった。 しかし、運転台の「戸閉め検知確認ランプ」が点灯したため、運転手はドアが閉まったと判断し車両が発車して しまい、その高校生は引きずられて死亡した。新幹線開業以来、初めての乗客死亡事故であった。
【事象】
新幹線三島駅ホームで「こだま475号」に飛び乗ろうとした高校生がドアに左手の指を挟まれているのにも拘わらず、車両が発車、高校生が引きずられて死亡した。
【経過】
東京都千代田区の私立高校の男子高校生(17)が、学習塾の冬期講習に出席した後、静岡県富士宮市の実家に帰るため 東京駅から東海道新幹線下り「こだま475号」(東京発名古屋行き、0系、16両編成、全長約400m)の7号車に乗車した。
高校生は、父親と新富士駅で待ち合わせるため、1駅手前の三島駅で、3分間の停車時間に一旦降りてホーム上の公衆電話で帰宅時刻などを連絡中、発車アラームが鳴り始めたため、「列車が出てしまう」と言って電話を切った。 ホームの10号車と11号車の間にいた駅員(49、輸送主任)は、最後部の16号車にいた車掌に「ドア閉めOK」の合図をし、 車掌はドアを閉めた。
高校生は再び乗車しようと6号車に駆け寄り、ほとんど閉まりかけたドアに手を入れてこじ開けようとして左手の指を挟まれて抜けなくなった。新幹線では、ドアの戸閉め検知装置で扉間隔が3.5㎜以下になったことを検知しないと発車できないが、検知装置はドアが閉まったと認識した。
ドアが閉まったことになったため、全車両のホーム側の車側表示灯の赤ランプが消え、運転台の「戸閉め確認ランプ」が点灯した。
18:34、運転士は、運転台にあるランプが点灯したため、ドアが閉まって いるとして発車した。駅員は約100m前方で新幹線と並走するように6号車のドアをたたいている赤いコートを着た高校生が 見え危険だと思ったが、見送り客がふざけていると思ううち、ホーム上の帰省客などの人波(約290人)やホームの柱の陰に 隠れて見えなくなった(推定)。
また、車内にいた車掌長は、発車時に8号車乗務員室の窓から顔を出して安全を確認しなかった。
高校生は約30秒間、ホーム上を約150m引きずられてから振り落とされて線路に転落した。
18:35頃、「こだま」発車直後、ホームにいた乗客が駅員に「客がドアに挟まれている、列車に引きずられている」と通報があった。
18:39頃、「こだま」内の乗客が乗務員に「6号車で男性がドアに挟まれ振り落とされた」と連絡した。
駅員から電話連絡を受けた輸送指令員は、運転士にドアなどに異常がないかを確認した。運転士は異常はないと判断、そのまま走行を続けた。
輸送指令員と運転士のやりとりの最中に、車掌が乗客からの事故の知らせを運転士に伝えた。
18:40~45、駅員が線路を調べたところ、下り線ホーム端から34m先の線路脇で高校生が倒れて死亡しているのを発見した。
そこで、後続列車に一斉停止の指示を出した。「こだま475号」は予定通り名古屋まで運行した。(産経)
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