- ニュース全般
-
クリミア併合 テレビや携帯遮断…「まるでソ連に逆戻り」
産経新聞 3月27日(木)10時43分配信
ウクライナ南部クリミア半島がロシアに併合される過程を現地で3週間ほど取材した。
強く感じたのは、ロシアの主張とは異なる、逆の実情だった。
ロシアは、差別を受けているとされる「ロシア系住民の保護」のため軍事介入に踏み切った。
だが、当のロシア系住民たちが迫害などされていないことを認めていた。
ロシア側の武装兵らがにらみをきかせる中、反対派は抗議をしたくてもできなかった。
ウクライナ系テレビは強制的に遮断され、ロシア側のニュースだけが伝えられる。
ロシア側がウクライナ海軍司令部を襲撃した日、記者(内藤)の携帯電話は突如、海軍報道官に通じなくなった。
だが、ほかの電話機からはかかる。当局に切断されたのだ。
ロシア側によると、併合への反対派は存在しない。
だが、人々は報復を恐れて本心を明かさず、声をひそめて情報交換していた。
「まるでソ連に逆戻りしたかのようだ。これからどうなるのだろうか」
こんな不安の声を多く耳にしたが、ロシアのテレビでは紹介されない。
ソ連時代もそうだった。
「ソ連崩壊は20世紀最大の悲劇だ」-。
こう語るプーチン露大統領は21世紀、ソ連のような大国復興の野望を抱いているかもしれない。
人々の心中には、冷戦時代の不吉な予感が早くも漂っている。
(内藤泰朗)
- 0
14/03/27 18:14:22