- 下話
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>>920
それから一週間。
何事もなく過ぎた。
シンゴからは、相変わらず一日三回、メッセージ付のメールがくる。
期待したい気持ちがあった。
でも期待しないことにした。
きっと遊びだ。
あの夜一回限りのことだ。
そう思うと胸が痛むことは少なくなった。
シンゴのダイエット計画が始まって2週間。
シ[今夜23時頃時間ができたから、経過報告に行くね。大丈夫かな?]
ゆ[大丈夫です。お待ちしております。]
ドキドキして終始上の空だった。
何度も鏡を見てメイク直しをした。
コロンも多めにつけた。
もう体を許すのはやめよう。
そう決めていたのに、求められたいと思ってしまう自分がいる。
エリカちゃんはどうしよう…。
いつも通りに終われば22:30にはエリカちゃんは帰る。
シンゴが来ることを伝えるのはやめた。
最後の客が帰り、時計を見たら22:20。
まだまだ余裕。
…ん?
エリカちゃんが帰る様子がない。
いつもなら5分もしないで帰るのに。
受付を見に行った。
ゆ「エリカちゃんどうした?もうあがって大丈夫だよ」
エ「すみません。なんか体調悪くて。少し休んでから帰ってもいいですか?」
こんなときにかぎって……
でもしょうがない。
ゆ「大丈夫?ここだとあれだから、応接室にあるベットで休んで」
エ「すみません。そうします」
エリカちゃんを横にしてシンゴがくるまで雑務をこなした。
22:50
エ「ゆりさん。わたしのど乾いちゃって。申し訳ないんですけど、ポカリ買ってきてもらえませんか?あれ飲むと調子よくなること多いんで。」
えっ?
もう少しでシンゴが来るのに。
悩んだが買いに行くことにした。
シンゴが来ることを伝えていないことに後ろめたさがあったから。
ゆ「分かった。実はもう少ししたらシンゴさんが来るの。もし来たら受付で待ってもらってね」
エ「そうなんですか?!ちょっと調子よくなってきたかもー(笑)じゃあお願いします」
コンビニまで走って3分。
久しぶりに全力疾走した。
おかげで靴擦れ。
コンビニでポカリを買う。
シンゴのためにコーヒーも買った。
22:56
走れば間に合う。
2人きりにはしたくなかった。
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14/01/15 16:29:00