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>>837
黄砂は上空を浮遊しながら次第に大気中のさまざまな粒子を吸着するため、その成分は発生する地域と通過する地域により異なると考えられている。
中国・韓国・日本などの工業地帯を通過した黄砂は硫黄酸化物や窒素酸化物を吸着すると考えられているが、中国と日本の茨城県つくば市でそれぞれ採取された黄砂の成分調査によると、つくば市のものは二酸化窒素(NO2)や硫酸水素(HSO4)が増加しており、これを裏付けている。
さらに、通過する地域や気象条件(汚染地域への停滞の様子など)によって、同じ地点で観測される黄砂においても、黄砂中の汚染成分の濃度が毎回変化し、汚染成分の多い黄砂と少ない黄砂の2パターンがあることも分かっている。
2001年にアジアの黄砂発生源を3つに区分(中国西部・中国北部値に比べてヒ素が22倍、マンガンが13倍、クロムが7倍、ニッケルが3倍という高い数値を記録しており、黄砂の飛来時には大気の成分が通常とは異なることを示唆している。
また、黄砂飛来時に大気中のダイオキシン類の濃度が増加するとの調査結果も出ている。
台湾中央研究院環境変遷研究センターの調査では、大気中の濃度が通常時よりも 35% 増加するとの結果が出ている。
釜慶大ダイオキシン研究センターが釜山で行った調査では、黄砂飛来時は粉塵中の濃度が通常の2.5倍(2001年)人体への摂取量が通常時は約0.01pg-TEQ/kg/日だが、黄砂の日は0.028?0.038pg-TEQ/kg/日と2倍以上になる(2007年)と報告されている。
韓国農村振興庁が黄砂を採取して行った検査では、地域差があるものの、細菌の濃度が通常の大気の7?22倍、カビの濃度が15?26倍と高かった。
黄砂が飛来するときに細菌やカビを吸着し、それが繁殖しやすい気温や湿度となるためではないかとされており、人間や家畜・作物への影響が懸念されている。
また、韓国の研究チームが2003年、黄砂の飛来する前後に行った疫学調査では、尿の成分測定で多環芳香族炭化水素(PAH)に属する発ガン性物質が平均で 25% 増加した黄砂の後に麦の病害である黒さび病が増加することは日本で知られていたが、研究により同じく麦の病害である黄さび病の胞子も毎年黄砂とともに日本に飛来することが分かっている。
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12/06/08 17:49:19