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>>778つづき
■7.「裏切られた。人間として最低、クズだ」
「菅では震災対応を乗り切れない、早く替えるべきだ」という声は与党・民主党の中にも広がっていった。
6月2日に野党から内閣不信任案が出され、民主党内の小沢一郎や鳩山由紀夫らの一派も賛成しかねない状況だった。
切羽詰まった菅は、鳩山ら民主党幹部との会談で「大震災への取り組みに一定の目処がついた段階で、・・・若い世代に色々な責任を引き継いでいただきたい」と発言し、これを鳩山らは早期退陣を約束したものと受け止めた。
そして民主党の分裂を避けるために、不信任案反対に回った。
鳩山と菅は覚書きまで交わしていたが、「一定の目処」に関して、鳩山は「復興基本法が成立し、第2次補正予算の目処がつく」時期として6月末での退陣を考えていた。
しかし、不信任案否決の直後、菅が晴れやかな顔で10月中旬から翌年1月中旬とされている原子炉の冷温停止までは「私の責任」だと言ったことで、鳩山は「裏切られた。人間として最低、クズだ」と激怒した。
ここから民主党内の菅降ろしのための抗争がさらに3ヶ月近く続く。
震災対応そっちのけで党内抗争を繰り返す民主党の惨状に、党幹部も「もうだめだ 党内みんなメルトダウン」と自嘲するばかりだった。
しかし、その間も、菅のスタンドプレーは続いた。
電力制限を続ける中で、定期点検の終わった九州電力玄海原発2、3号機の再稼働を地元も海江田経産相も了解していたのに、菅は7月6日に新たなストレステストの導入を発表して再開を先送りさせた。
前年秋以降、菅自身が主導して決めたベトナムへの原発輸出も、7月13日に菅が突然「脱原発」方針を表明したため宙に浮いてしまった。
菅が正式に退陣表明をしたのは8月26日だった。
内閣支持率は18%に下落し、これでは破れかぶれの解散・総選挙も打てない。
同時に、自民党は菅の資金管理団体が北朝鮮の日本人拉致事件の容疑者親族が関係する政治団体に不透明な政治献金を行っていた問題を追及する姿勢を強めていて、進退窮まったからだ。
つづく- 0
16/03/16 09:23:18