雑誌 アイラブママ へのコメント(No.1427

  • No.1425 長文

    12/10/26 07:50:41

    ■「DVでも好き」の正体は、安っぽいヒロイン願望!

     今月号は読み物ページが充実しています。「美ママの決断 離婚が頭をよぎった瞬間」は単なるツラバナ(辛かった話)を越え、夫婦とは? 家族とは? を考えさせられる良企画。ラブモを含む美ママ10人の「別れた理由・別れなかった理由」がつづられています。片手にケチャップを握りしめ、中身を噴水のようにぶちまけているのだはなに、小さなガラスの靴を手のひらに乗せ、憂い顔のシンママ、仲本沙織ちゃんと写真もシュール。中身はそれ以上に壮絶です。

     登場するのは5人の別れたママ、5人の別れなかったママ。高校在学中に妊娠・出産したのだはなは、フルタイムの仕事と家事・育児の両立に追い詰められ、何も協力しようとしない夫との間に徐々に亀裂が入ったそう。「ある日、夕飯でオムライスを作って並べたの。『遅いしオムライスの気分じゃない』そんなパパのひと言でプッツン。手元にあったケチャップをパパにぶっかけて『ふざけんな!』って」。あぁそれでケチャップね……。それからもけんかが絶えず、別居へ。その後ラブママでモデルとして活動を始め、仕事は退職。別居により反省した夫からの謝罪もあり、再び同居とあいなったそう。この場合、「ラブママはかすがい」と言うべきでしょうか。

     元夫に日常的に暴力を振るわれ「でも親の反対を押し切ってまでした結婚。殴られるなんて言えなかった。誰にも言ってはいけないって思ってた」というのは仲本沙織ちゃん。別れを決意したのは「ちびコのことを抱いている私のことを殴るカレに『○○を抱いているときは殴らないで!!』と言うと『○○には当たらないように殴るよ』って。“あぁもうダメだ”そう感じた瞬間だった」。

     ハッピーエンドはのだはなちゃんくらいで、別れたママも別れなかったママも、現在進行形で夫婦・家族の悩みを抱えているようです。いや、逆に「別れなかったママ」の話に、その根の深さを感じます。結婚してもキャバクラ通いがやめられず、ケンカが絶えない中で妊娠。別れて1人で育てようと決心するも、夫は出産に反対。「『経済的に厳しい』『まだ遊びたい』『おろせ!』って首をしめられたこともあった」のに離婚しなかった26歳ママ。夫の実家で義理姉家族との同居をきっかけに、ストレスからマリー・アントワネットのように白髪、さらに円形脱毛症になった19歳ママ。夫に窮状を訴えるも「板挟みで俺の方が辛いんだ」と逆ギレされる始末。だけど別れない。「給料をすべて家族のために使うのがバカらしい」という理由で夫側から別れを切り出されるも、ちびコのために耐える日々を送っていた21歳ママ。別れを決意し、双方の両親を交えた話し合いの途中に夫の父が「そんなヤツに育てた覚えはない!」とキレ、その怒号に怯えた夫が「もう一度だけチャンスをくれ」と泣きついてきた。呆れた、だけど別れない。みなさんこんな調子です。

     別れたママたちの「多額の借金」「中3と浮気してた」「ホストをしていた彼の客と3人で同居」というアリエナイ理由に比べたら、別れなかったママたちの体験はまだある話かもしれません。しかし、子どもを産んで急激に「母」になる女と、いつまでも「父」の自覚が持てない男というこの対比は、家族の根底にいつも横たわっている問題。社会化された男女であれば若干そのコントラストは弱まるものの、10代同士の結婚が多いラブママ世代では、ほぼむき出しの状態で2人を襲います。

     「DVだって頭では分かっていたけど、殴られても好きだった人」「彼が全部悪いとは思っていない。理由がなきゃ喧嘩もしないし、きっと手もあげない」「子どもにとってはたったひとりのパパだし、子どもの幸せが一番」と、ママたちの自己評価の低さも気になります。別れを選択したあるママの「生活のためにキャバクラで働くことにしたの。今まで離婚に踏み切れなかった理由は、カレへの愛もあるけど、一番は金銭的な不安だった。働きだして“自分で生きていける”という自信がついたのが、離婚を決意したとき」という言葉に、真理がある気がしました。

     仕事は大事ですね。人間らしい生活を送るために、本当に大事。「子どものために(別れない)」というのは、翻って「自分のため」だったりしますから。久々にガツンとしたラブママのツラバナページ。幸せばかりでは語れない結婚生活。子どもを作る前に、考えなければならないこと、見極めなければならないことの多さをラブママは教えてくれます。

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