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- 20/05/29 01:28:45
全国で9割以上の学校が休校措置を取るなか、子供たちにとって、この期間を有意義に過ごせるかどうかはその後の学力にも影響する大問題だ。東大合格ランキング上位常連の進学校の生徒たちを取材すると、やっぱり「できる子供」は時間の使い方が一味違っていた。
◆社会人にビジネスを学ぶ
全国でコロナ休校が続くなか、“超進学校”でも対策が講じられている。
東大合格者数日本一を誇る開成中学・高校(東京都荒川区)では、4月半ばからオンラインでの授業や課題を導入した。同高校教務委員長の神田邦彦氏が語る。
「対面での授業ができない代わりに、双方向のオンライン授業や録画した講義を動画配信したりするなど、各教科の教員ごとに工夫しつつ、学年ごとに週単位で時間割を組んでいます」
西の名門、灘中学・高校(神戸市東灘区)でも、5月の連休明けからグーグルの「クラスルーム」というサービスを用いたウェブ配信授業が始まった。
「できるだけ平常授業と変わらない量をこなせるよう、プレゼンソフトを使った音声解説付き教材や、期限付きの課題を出しています。多くの生徒がパソコンやスマホで配信授業を視聴しており、平時の7~8割の内容は達成できていると思います」(海保雅一教頭)
生徒の自主性を重んじる校風で知られる麻布中学・高校(東京都港区)では、平秀明校長が休校前、生徒にこんな言葉を送った。
〈英国の生んだ偉大な科学者アイザック・ニュートンは、学生時代にペストの流行で大学が閉鎖となり、ロンドンから離れた郊外でゆとりある思索のなかで万有引力の法則を発見したと言われています。諸君に与えられたこの時間をぜひ有意義に過ごしてほしいと思います〉(麻布のHPに掲載された「生徒諸君へ」より)
校長のメッセージを受け、生徒は様々な活動に取り組んだようだ。同高校3年の洪克樹さんは「麻布生によるビジネスプラン大会」を自ら企画し、オンラインで開催したという。
「僕は今年4月下旬、世界で起業学習プログラムを提供する『DECA』のビジネスプラン世界大会に日本代表として出場するはずでした。新型コロナ感染拡大で大会は中止になりましたが、世の中の問題を解決するビジネスを考えた経験は、とてもためになりました。僕以外の麻布生でもできるのではと思い、校内でビジネスプラン大会を企画したんです」
参加学生の募集やチーム分け、ビジネスプランの作成、起業家や会計士による審査まで、すべての過程はオンラインで行なわれた。
5月2日の本大会に参加したのは高校生13人と中学生1人。最優秀賞は発起人である洪さんのチームだった。
「新型コロナでは靴にも注意すべきというアメリカの研究を踏まえ、紫外線によって靴を殺菌・消臭・乾燥する箱形の機械を開発し、ホテルにレンタル・販売するビジネスプランを立てました。開発費や人件費などのコストを踏まえ、5年後の利益まで計算しています。多くの日本のビジネスコンテストは商品ベースで買ってもらうことを考えますが、『DECA』は社会問題からビジネスを考えるという発想が特徴的です」(洪さん)
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