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- 文一
- 19/04/16 17:02:10
兵庫県多可町の町立小学校5年の女子児童(当時10歳)が2017年5月に自殺した問題で、いじめの経緯などを再調査していた第三者委員会は15日、他の児童と遊ばせないなどのいじめが「自殺の最も大きな要因」と改めて結論づけ、報告書を公表した。再調査を求めた遺族は「自死に至った経緯を十分理解できた」と評価した。
女児の自殺については、町教委が設けた第三者委が昨年7月に「いじめが要因」とする報告書をまとめた。しかし、遺族は「具体性に欠ける」と再調査を求め、新たな委員会が児童や教員計6人に追加で聞き取り調査などをしていた。
再調査委の報告書によると、女児が4年生だった16年7月ごろにクラスに女子グループができ、その内部で無視や悪口、仲間外れなどが断続的に続き、女児も同10月ごろに太ももを強く蹴られた。さらにグループでは女児の行動を見張り、校庭などで他児童と遊んでいると、「あの子らと遊ばんといて」と言って引き離したりした。
翌17年の春休みに書いたと見られるメモには「死にたい、でもこわいの苦しいから」などと表現。同年4月にはグループ内でランドセルを取るよう命じられ、断ると足を蹴られた。報告書は「グループへの『囲い込み』『拘束』で、無理難題を解決できないと観念させられた」とし、女児が精神的に追い込まれた状況を指摘した。
再調査委委員長の吉田竜一弁護士は記者会見で「いじめの『傍観者』にならず、『仲裁者』になれるような教育を徹底してほしい」と町に注文。吉田一四町長は「提言を踏まえ再発防止に全力で取り組む」と話し、岸原章教育長は「学校が見抜けなかったことを深く受け止める。現場の感度を上げていきたい」と述べた。
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