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- 17/12/16 13:04:11
2017.12.15 18:33
器械体操の部活中に鉄棒から落ちて負傷し重い後遺症を負ったのはコーチらが安全対策を怠ったためとして、大阪府立高校の元部員の男性(25)と家族が府に約2億4800万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が15日、大阪高裁であった。佐村浩之裁判長は「適切な指導を怠った」として、男性側の請求を棄却した1審大阪地裁判決を変更、府に約1億9700万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
判決によると、事故は平成22年4月に府立高校の体育館で発生。当時、高校3年だった男性は、鉄棒演技の練習中に落下、マットに頭や首を打ちつけた。男性は約2年3カ月入院。退院後も車いす生活を余儀なくされ、食事や入浴、排泄(はいせつ)に介護が必要となった。
当時コーチは約10メートル離れた場所で指導。男性側は「コーチは難易度の高い危険回避方法を指導していたのに、転落防止の補助者として鉄棒の下にいなかった」と主張したが、1審判決は男性には技量があったとしてコーチが補助に入る義務を否定し、請求を棄却した。
これに対し、佐村裁判長は判決理由で、男性のこれまでの練習状況から「難易度の高い危険回避方法を身につけていなかった」と判断。「コーチは確実で簡単な方法を指導すべきで、そうでない以上、補助に入る注意義務があった」とコーチの過失を認めた。
府教育庁は「判決の中身を精査し、今後の対応を検討する」としている。
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