ライチ
「ずっと一緒にいたくて」死産した子を冷凍庫に3年8カ月、袋には「大好きだよ」…30代母親に有罪判決
2026年08月15日 08時18分
自宅の冷凍庫に、死産した子どもを約3年8カ月にわたって保管していたとして、死体遺棄罪などに問われた30代の女性に対し、大阪地裁は8月7日、拘禁刑3年(求刑同じ)、保護観察付き執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。
冷凍庫の中で、遺体はTシャツに包まれ、袋に入れられていた。その袋には「2022.8.28 大好きだよ」などと書かれていたメモが貼られていたという。
なぜ、被告人は亡くなった子を冷凍庫に入れ、長期間手元に置き続けたのか。
法廷では、死産に至るまでの経緯や、子どもへの思い、そして長期にわたる違法薬物との関係が明らかになった。(裁判ライター・普通)
◆涙を流し、言葉を詰まらせる場面も
身柄拘束された被告人は、この季節には不釣り合いな厚手のスウェットのような服を着て、全3回の公判に出廷した。
法廷では終始、真っすぐ前を向き、質問にはきはきと答えていた。時折、涙を流し、言葉を詰まらせる場面もあった。
問われた罪は、死体遺棄罪のほか、覚醒剤取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反の3つであった。
起訴状によると、被告人は2022年8月ごろ、自宅で嬰児の死亡を確認したにもかかわらず、その遺体を自宅冷凍庫に入れ、2026年4月まで放置したとされる。
また、遺体が発見されたのと同じ時期に覚醒剤を使用したほか、自宅で大麻の植物片8グラム強など複数の違法薬物を所持していた罪にも問われた。
被告人はいずれの起訴内容も認めた。
続>>1◆遺体を入れた袋には「大好きだよ」のメモ
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No.3 主 ライチ
26/08/18 13:10:56
◆中学生で大麻、19歳で覚醒剤
もう一つ、裁判で浮かび上がったのが、被告人と違法薬物との長年にわたる関係だった。
被告人に前科はない。しかし、中学生のころに大麻を使い始め、その後脱法ハーブに手を出し、19歳のときには覚醒剤を使用したという。
風俗店で働いていた際に客と一緒に使ったり、市販の風邪薬を大量に摂取する習慣をやめる代わりに覚醒剤を使ったりするなど、逮捕されたころには1日1回のペースで使用していた。
周囲の人間関係にも、薬物が入り込んでいた。
違法薬物を常用する人物2人が自宅に居座ったことがあったほか、「覚醒剤使用者専門の風俗店に売る」といった脅しを受けたこともあったという。
被告人自身も、薬物への依存が深刻であることを自覚している。今後は治療を受けながら、知人がいない地方への移住も検討していると話した。
◆「弔いの気持ち」は認めつつも
大阪地裁が言い渡した判決は、拘禁刑3年、保護観察付き執行猶予5年であった。
裁判官は、亡くなった子をきれいに洗い、子ども服を着せていたことなどから、「被告人なりの弔いの気持ちは認められる」とした。
一方で、遺体を野菜などの食料品と一緒に冷凍庫に長期間保管していたことについては、「粗雑だった」と指摘。「宗教感情を害する」と厳しく評価した。
さらに、遺体を手元に置き続けた理由についても「一緒にいたい」という動機は「死者の尊厳を軽んじている」と判示した。
薬物事件についても、依存がかなり深まっていることなどを踏まえ、再犯を防ぐには専門的な公的指導が不可欠だとして、執行猶予期間中の保護観察を付けた。
3回の公判を通じ、被告人は涙を流す場面こそあったものの、多くの時間、前を向いて質問にははっきりと答えていた。
「生きていたら、してあげたかった」
被告人には刑務所ではなく、保護観察のもと社会で薬物依存の治療を続ける道が残された。
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