「日本で最も豊かな都道府県」東京が最下位 意外な1位は?

匿名

パン職人

25/01/09 15:18:21

なぜ東京が「経済的豊かさ」全国最下位なのか 中間層の厳しい現実

2024/01/05

 経済的な面から語るとき、「日本で最も豊かな都道府県」とはどこだろうか? 大企業が密集し生活インフラも整う首都・東京が想起されるが、平均的な人々の豊かさという意味においては、必ずしもそうではないようだ。そればかりか、評価方法によっては47都道府県でも最下位に位置するという。国土交通省国土政策局が2021年に発表した資料では、可処分所得や機会費用などを基準に算定した結果、東京が経済的豊かさにおいて最下位になり得るとの調査結果が示されている。

◆全世帯の豊かさでは上位の東京

 はじめに、単純に全世帯を集計対象とした場合、東京は経済的豊かさで上位に立っている。国交省がまとめた資料「都道府県別の経済的豊かさ(可処分所得と基礎支出)」では、可処分所得の多さを経済的な豊かさの指標とし、都道府県をランク付けしている。結果、上位は次のようになった。

1位:富山県(46万4635円)
2位:福井県(44万9794円)
3位:東京都(43万6475円)

 以下、茨城県、香川県、神奈川県の順に続く。1位・2位を北陸圏が占めるなか、東京都、茨城県、神奈川県など首都圏も健闘していることがわかる。可処分所得とは収入から税金や社会保険料などを引いたもので、当人の裁量で使途を決めることができる手取り収入のことだ。東京は可処分所得が多い都道府県の3位に入っており、単純なデータでは一見、経済的にかなり豊かな部類に入るようにも思われる。

 なお、以下も含め集計対象の世帯はすべて、2人以上の勤労者世帯となっている。学生、単身者、経営者などはデータに含まれない。

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コメント

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  • No.1 パン職人

    25/01/09 15:19:43

    ◆中間層に絞ると、突出して豊かではない

     さて、上記データではすべての世帯を対象としたが、これは一般的な住民の実態を表していないことがある。極端に収入の多い世帯が平均値を引き上げ、実像と乖離(かいり)することが考えられるためだ。そこで国交省資料では、中央世帯(可処分所得の上位40%〜60%)に限ったデータを併せて公開している。中央世帯に限ると、東京は大きく順位を落とす。

    1位:富山県(42万262円)
    2位:三重県(41万6264円)
    3位:山形県(40万8972円)

     東京の中央世帯の可処分所得平均額は39万2716円で、順位は12位にまで下降する。前後の都道府県を10位から順に挙げると、新潟県、岐阜県、東京都、長野県、徳島県となっており、地方部と同じ水準であることがわかる。

    続く

  • No.2 パン職人

    25/01/09 15:20:15

    ◆生活費の高さが家計を苦しめる

     このように東京の可処分所得は、平均的な住民の実態を表しやすい中央世帯に限定した場合、必ずしも日本で上位とはならない。そればかりでなく、次に述べるように、より現実的に自由に使える余剰資金の額という意味では、むしろ下位圏に位置するようだ。

     先ほどは中央世帯の可処分所得をもとにランク付けしたが、可処分所得は収入から、税金や社会保険料などだけを差し引いたものだ。実際の生活では、食費、家賃、水道光熱費が毎月必ず発生する。国交省データではこれらを基礎支出と位置づけ、都道府県ごとに基礎支出の額を算出した。結果、東京は中央世帯の基礎支出が最も大きな都道府県となった。

    1位:東京都(19万9372円)
    2位:神奈川県(18万2334円)
    3位:埼玉県(17万4779円)

     以下順に、千葉県、京都府、大阪府、兵庫県と続く。首都圏や大阪圏の基礎支出が軒並み高い実態が改めて浮き彫りになった。可処分所得からこうした基礎支出を差し引いた差額が、現実的にレジャーや貯蓄などに回すことのできる余剰資金となる。東京は、中央世帯の差額について19万3343円で、47都道府県中42位となり、ワースト6位となった。43位以下は、大分県、大阪府、長崎県、青森県、沖縄県の順になっている。

    続く

  • No.3 パン職人

    25/01/09 15:20:53

    ◆通勤を考慮すると、東京の豊かさは最下位に

     国交省はさらに踏み込み、参考情報として、通勤によって奪われる機会費用を算定した。通勤時間、出勤日数、1時間あたりの所定内給与をもとに、1ヶ月で失われる機会費用を求めた。

    1位:東京都(5万8142円)
    2位:神奈川県(5万5753円
    3位:千葉県(4万9380円)

     4位以下、埼玉県、大阪府、奈良県、兵庫県、愛知県、京都府の順に、都市部の都府県が続く。都市部では通勤で失われる機会費用が高いことがわかる。基礎支出を差し引いた先ほどの差額から、こうした通勤の機会費用を減算すると、中央世帯の経済的豊かさのランキングは以下のようになる。

    1位:三重県(23万9996円)
    2位:富山県(23万7390円)
    3位:山形県(23万7202円)
    —中略—
    45位:大阪府(15万38円)
    46位:沖縄県(14万8124円)
    47位:東京都(13万5201円)

     都市部・地方部が混在しているものの、首都圏や大阪圏の大都市は下位寄りとなる傾向があるようだ。38位以下は順に、埼玉県、兵庫県、大分県、長崎県、青森県、神奈川県、千葉県、大阪府、沖縄県、東京都となっている。

    続く

  • No.4 パン職人

    25/01/09 15:22:19

    ◆東京の実像を描く一つのデータ

     以上のように、ある尺度をもとにした場合、東京は日本で最も貧しい街という結果になるようだ。今回は国交省資料で触れられている内容に基づき、中央世帯の収入から、税、社会保険料、家賃、食費、水道光熱費、そして通勤による機会費用の損失を差し引き、残された余剰資金を経済的豊かさの指標とした。

     あくまで一つの物の見方であり、もちろん別の考え方も存在する。たとえば、会社員やフリーランス、あるいはアーティストなど働き方を問わず、大企業が立地し各種文化の中心地となっている東京に住んだ方が、成功を収めやすい可能性は否定できない。人並み以上の成功を狙い東京に移り住む人にとっては、そもそも中央世帯に限定するデータの取り方はあまり意味がないとも言える。富裕層の多い都市ランキングでは、東京は世界でもかなり上位に食い込んでいる。

     また、国交省資料では、各都道府県の時間あたりの収入を考慮したうえで、通勤による機会損失を算定している。同じ1時間の通勤であっても、都市部の方が地方より大き損失を被っているという前提に立っているが、この考え方に賛同できる人ばかりではないかもしれない。

     このように、本ランキングはある一つの考え方に基づいたものであり、東京暮らしが必ずしも貧しいと示すものではない。とはいえ、一般に東京に対し、きらびやかなイメージが抱かれがちなことも事実だ。平均的な家庭の生活は意外にもシビアであることを示す、一つのデータだと言えるだろう。

    New Luxe
    https://newluxe.jp/entertainment/income_expenditure_by_prefecture_4/

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