監督する映画に出演決定の俳優女性に性的暴行容疑　榊容疑者を再逮捕
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俳優志望の女性に性的暴行を加えたとして映画監督の榊（さかき）英雄容疑者（53）が準強姦（ごうかん）容疑で逮捕された事件で、警視庁は11日、別の俳優の女性に9年前に性的暴行を加えたとして同容疑で再逮捕し、発表した。黙秘しているという。

　捜査1課によると、榊容疑者は2015年3月19日午後6時ごろ、東京都港区のマンション一室にある事務所で、当時20代の女性に対し、演技指導をする名目で立場を利用してわいせつな行為をした疑いがある。

　女性は当時、榊容疑者が監督の映画に出演が決まっていた。打ち合わせと称して事務所に呼ばれ、「初めての映画出演は不安だろうから練習しよう」などと言われて性的暴行を受けたと同課に説明しているという。

■女性「映画の世界でどんな報復をされるか」

　女性は今年1月に被害届を出した。「監督を訴えれば、映画の世界でどんな報復をされるか分からず、女優として生きていくことが難しくなるという思いがあって、被害を封印してきた」と話しているという。準強姦罪の公訴時効は10年。

　同課は昨年7月、別事件で榊容疑者の自宅を家宅捜索。再逮捕容疑の女性ら約10人の裸の動画などが保存されたSDカードを押収していた。他にも同容疑者から性的暴行を受けたという女性から被害届を受理しているという。

　榊容疑者をめぐっては、週刊文春が22年、俳優らが「性行為を強要された」などとする証言を報道していた。同容疑者が監督で、性被害を描いた映画「蜜月」の公開が直前に中止されていた。（長妻昭明）