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- 24/02/18 13:50:36
東京23区唯一の渓谷として知られる東京都世田谷区の等々力(とどろき)渓谷が、一部をのぞき立ち入り禁止になっている。倒木が発生し、区の調査で緊急伐採などが必要な「危険木」が50本以上も見つかったため。急傾斜地で重機が入れず作業は簡単ではなく、再び市民に開放されるまで数年はかかる見通しだ。(奥野斐)
◆数十万人が訪れる遊歩道に倒木、調査で計52本も…
「危険 通行止め」―。東急大井町線等々力駅すぐの「等々力渓谷公園」の遊歩道入り口に張り紙がされていた。フェンスが立てられ、長さ約700メートルの遊歩道が立ち入り禁止になった。
谷沢川沿いの渓谷は、ケヤキやシラカシなどの樹木が茂り、都会とは思えない景色が人気だった。区によると、散策などで年間数十万人が訪れていたが、昨年7月6日、清掃中の区民が高さ約20メートルのシラカシの木が遊歩道に向かって倒れているのを発見した。
区は翌7日から立ち入りを禁止して昨年11月までに公園内の樹木調査をした。708本のうち、伐採や剪定(せんてい)の緊急対応が必要な危険木が52本あることが判明した。さらに、経過観察を要する木も45本あった。
◆重機が入れず、伐採も運び出しも人の手で
だが、遊歩道が狭く重機が入れないため伐採はすぐにはできない。現在、新年度からの作業開始を目指して計画を詰めているところだが、公園緑地課の岸本隆課長は「伐採した木材は、さらに切って人の手で運ぶ必要がある。作業が終わるまでに数年はかかる」と説明する。
区はこれまでも樹木医による樹木調査を行い、老木を定期的に取り除いてきた。急に危険木が増えた理由については、近年の猛暑で樹勢が弱まっていたところに、病虫害が予想以上に進行したためだと指摘する声があり、対策に頭を悩ませている。
フェンスの張り紙を見ていた近所の男性会社員(43)は「観光客もたくさん来ていたし、地元では通勤通学で通る人もいた。なんとか早く通れるようにならないものか」と嘆いた。
岸本課長は「作業が終わったエリアから再開することも検討したい。安全を確保した上で、少しでも早く再開できれば」と話した。
東京新聞 2024年2月18日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/309969
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