- なんでも
- 匿名
- 23/04/02 07:24:18
「子供は“嗜好品”」「幸せに出来るか不安」若者たちの本音
しかし今、経済的理由で、多くの若者たちが結婚や出産を諦め始めている。
神奈川県で配送ドライバーとして働く池畑裕一さん、35歳。1セット24キロほどの飲料水を、多い日は1日80軒に届ける。
池畑裕一さん
「フリーランスは何も保証してもらえない。その会社は何も守ってくれないし。『池畑さん来週で終わりです』と言われたらもう、その時点で仕事がなくなっちゃうので」
1セットで得られる額は、400円。月の売り上げは40万円ほどだが、高騰するガソリン代など様々な経費も負担するため、手元に残るのは月に30万円ほどだ。
フリーランスは労働基準法で保護されず、雇用保険も適用されない。
池畑さん
「自分1人で生きてくのですら不安なこの世の中なのに、結婚して奥さんも子供も養ってくっていうのは男からすると想像できないというか。足踏みしちゃってる人はかなり大勢いるんじゃないかなと。僕もその1人」
日本の2021年の合計特殊出生率=1人の女性(15〜49歳)が生涯に生む子供の数は1.30。去年の出生数は過去最少の79万9728人で、初めて80万人を割り込んだ。
政府は3月31日、児童手当の所得制限の撤廃などを盛り込んだ、“異次元”の少子化対策のたたき台を公表した。しかし、財源には触れておらず、今年6月の「骨太の方針」までに、結論を出すという。
池畑さん
「少子化だったり晩婚化もそうですけど、今に始まったことではないじゃないですか。ずっと前から言われて。本当だったらもうずっと前から対策してればいいのに。結局何もやらないので、国に対しての信用がないですよね」
「不安感じゃないですか。やっぱりこの先が見えないっていうか」
「金銭的にとか考えても、今の状態で生まれてくる子供が幸せなのかなと、僕は思っちゃうので。子供に好きなことをやらせてあげられないのに、子供をとりあえず作るって、ある意味親のエゴかなっていうのもある。だったら産まない方がいいんじゃないかって僕は考えちゃうんですよね。子供のためにも」
実は現在、彼女と同棲中だという池畑さん。昼休みには自宅に帰るようにしている。
彼女の美花さんが、食卓に作りたてのご飯を並べ、待ってくれていた。外食はほとんどしない、節約生活。食費は2人で、月3万円を超すことはないという。
池畑さん
「いつも出してくれます。帰ったらすぐ食べられるように。でも毎日違うメニューみたいな感じなんで、本当にありがたいですね。昼ご飯を食べるのが楽しみで頑張るみたいな」
美花さん
「私は夜勤に行っちゃうからお弁当作っておいた」
池畑さん
「最高の彼女だと思います。節約にもなると思うし、外で食べるよりこっちで食べた方が美味しいので」
美花さん
「言ってくれるわ〜、今日仕事頑張れる」
美花さんは非正規のケアワーカーとして働いている。手取りは月に20万円ほどだという。
美花さん
「お給料上げてほしい。今本当に人いなくて、介護する人間が。こんな頑張っているのに、これしかもらえないとね」
同棲を始めて3年目。周囲からは夫婦だとみられることも…
美花さんには「いつか結婚したい」という思いもある。しかし、子供は考えられないという。母が女手1つで4人の子供を育てる苦労を見てきたからだ。
美花さん
「私達のせいで、お母さんを苦しめちゃったなと思って。それから、自分も子供ができたとしても幸せにできるかっていうのは不安で。そういうのもあるから」
池畑さんは、あえて刺激的な言葉で現状を嘆く。
「僕的には子供は“嗜好品”だと思ってます。“贅沢品”だと思ってます。物に例えるのもあれですけど。余裕がある人が良い車に乗ったりとか、良い家に住んでるとか、そういうものの一つに『なっちゃったな』と思います。子供を作るっていうことは」
「そういう意味で戦意喪失させられちゃってるというか。『もうしょうがないか』みたいな。悪い意味で悟っちゃってますね、“さとり世代”」
「僕はもう手遅れだと思う。正直。一人一人の幸福度だったりとかっていうところをもっと考えてやるのが、一番僕は遠回りのようで(少子化対策の)一番近道なんじゃないかな
中央大学 山田昌弘教授
「結婚した夫婦は、とりあえず2人ぐらいは産んでいる。8割以上の人は結婚を望んでいて、子供を望んでいるというわけですから。そういう結婚や子供を望んでいるけれども、なかなか事情で結婚できないという人たちへの支援というものが(今回の政府の対策で)出てこなかった。結婚に踏み切れない人たちへの対処というものが重点的に必要だと思う」
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