アゼルバイジャン・マナト
岡山県総社市の人気店のパンが到着し、段ボール箱を開けた瞬間に集まった客が手を伸ばした=岡山市北区のJR岡山駅で、石川勝己撮影
総務省家計調査で、岡山市が2019~21年の平均で1世帯(2人以上)あたりのパン購入量日本一に輝いた。
食文化論に詳しい美作大短期大学部の藤井わか子教授に理由を尋ねると、首をひねりながらも「岡山県北部には法事であんパンを配る風習があります」と語り始めた。【平本泰章】
仏前に参列者があんパンを供え、帰りに喪主が手土産として配る。「法事パンセット」を販売するパン店もあるほど、津山市や真庭市を中心に「お供え=パン」が浸透しているという。
藤井教授によると、ルーツは小豆の産地であり、あんこを使った『出雲ぜんざい』が有名な島根県とみられる。葬儀や法要であんこ餅を配る風習が出雲街道を伝って、岡山県北部にも広がったのではと考える。
当初は親戚総出で餅をついていたが手間がかかるため、次第にあんこ入りの「酒蒸しまんじゅう」に変わり、戦後のパン食文化の広がりとともに手軽に準備できるパンに変化していったとみられる。
それでは岡山市や倉敷市など人口が多い県南部でパン食が広がった理由は? 藤井教授は「わからない」としながら、こう付け加えた。「『キムラヤさん』を抜きにして語ることはできないでしょうね」
「キムラヤさん」こと岡山木村屋は、あんパンの元祖として知られる「銀座木村屋」で修業した梶谷忠二氏(06年死去)が、1919(大正8)年に現在の岡山市北区表町に店を開いたのが始まり。当初の看板は「銀座木村屋岡山支店」。イースト菌ではなく酒の酵母で発酵させる「酒種あんぱん」はたちまち人気を呼んだ。
県民の心つかんだ「バナナクリーム」味
店舗は45年の岡山空襲で焼失したが、戦後すぐに再建。大規模工場での大量生産に着手し、学校給食へのパン提供にも積極的に取り組んだ。55年にはコッペパンに当時高級品だったバナナ味のクリームをはさんだ「バナナクリームロール」を発売。現在も不動の人気を誇り、県民のハートをがっちりとつかんできた。
取締役部長の野崎雅行さんは「早くから『専売店制度』を導入したのも大きかったと思う」と語る。
タバコや酒などの個人商店に委託販売する形で販売網を広げ、最盛期には約250店にまで拡大。県内の津々浦々に「キムラヤのパン」の黄色い看板が掲げられた。コンビニの台頭や店主の高齢化もあって現在は直営店を含め80店舗ほどに減ったが、野崎さんは「購入量日本一ということは、パン屋が日本一商売しやすい街ということ。感謝しつつ、食卓を元気にできるパンを作っていきたい」と気を引き締めた。
売り場は「バーゲンのようだった」
棚に陳列する間もなく、詰めかけた客が段ボールから次々とパンを奪い合う――。2022年秋、JR西日本中国統括本部岡山支社ふるさとおこし本部の弘内玖実さんは岡山駅構内で起こった光景を「バーゲンのようだった」と振り返る。
同社は、パンの製造・出荷額が県内トップで「パンの街」を掲げる総社市から伯備線の普通列車でパンを運び、岡山駅構内で販売する取り組みをヤマト運輸などと協力し、22年11月から始めた。列車の空きスペース活用や地域共生の推進などの目的で、毎月第1、3水曜日に実施している。弘内さんは「会社帰りに総社のパンを手にし、『週末に伯備線で行ってみようかな』と思ってもらえればなおいい」と狙いを語る。
だが、岡山のパン人気は弘内さんの想像を超えていた。初回の11月2日は「ベーカリートングウ」など総社の人気店3店の12種類160個が並ぶも、約3時間で完売。テレビなどで紹介されたこともあり、2回目の同16日は商品が運び込まれる前から販売スペース前に人だかりができた。約50個増やしたものの、約30分ですべて消えた。
「『総社のパンが岡山で買えるなら、そりゃ来るよ』との声を多くいただいた。岡山のパン人気をまざまざと見せつけられた」と弘内さんは苦笑する。今後は販売頻度や数を増やすことも検討するという。岡山県民のパン好きをさらに加速させそうだ。
https://mainichi.jp/articles/20230105/k00/00m/040/090000c
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No.10 レク
23/01/22 14:29:09
バナナクリームロールが気になる
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No.9 レク
23/01/22 14:28:52
バナナクリームロールが気になる
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No.8 イラン・リアル
23/01/22 14:25:03
ケチだから
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No.7 メキシコ・ペソ
23/01/20 23:27:51
>>3葬式饅頭ってあれって1日ぐらいしか持たないもんね。だからパンになったのかな
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No.6 匿名
23/01/19 20:34:07
そんなパン好きなんだ、てか小麦粉高くなってきてるのに大丈夫なんか?
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No.5 ルワンダ・フラン
23/01/19 20:30:25
島根も法事にあんぱん配ってなかった?
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No.4 レアル
23/01/15 10:01:26
普通は饅頭なんだけど、お金節約のためパンになったと何かで読んだことがある
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No.3 銭形平次
23/01/06 00:28:17
義実家辺りでは通夜にパンを配ってた
そのためのやや小さめのパンを作るパン屋さんがある
昔は葬式饅頭と言って葬式や法事の帰り際には饅頭を持たせてたのは全国どこでもあったはずだよ
今でも法事の時には引き出物として和菓子を用意する
地域はわからないけどうちは福岡県と熊本県
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No.2 カタール・リヤル
23/01/06 00:12:41
岡山でも全体じゃなくて県北とか一部の習慣かな。
県北の親戚が法事の時パンでした。
あんパンだけじゃなくてクリームパン、ジャムパンもあったな。
食べきれなくて冷凍してた。良い思い出!
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No.1 リベリア・ドル
23/01/06 00:04:19
法事にあんパンって珍しいけど、これはこれでいいかも。
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