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- 杉(雄大)
- 22/07/19 14:48:42
7/19(火) 10:59 Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/47114794bc52e67bed0b8e8ceba9fac252df70ea
福岡市中央区の商業施設で2020年、買い物客の女性=当時(21)=を刺殺したとして、殺人罪などに問われた少年(17)の裁判員裁判の論告求刑公判が15日、福岡地裁(武林仁美裁判長)であった。検察側は「更生の可能性は限りなくゼロに近く、残虐性の高い無差別犯罪で刑事罰が相当」として、懲役10年以上15年以下の不定期刑を求刑した。判決は25日。
【写真】「明るくて優しい子だった」被害女性の写真
弁護側は「家庭での虐待によるトラウマ(心的外傷)などを治療、教育すれば大きな変化が期待できる」として、刑事罰ではなく、医療(第3種)少年院での保護処分が相当だとして家裁移送を求めた。
検察側は論告で「(医療少年院など)複数の施設で指導が重ねられたが改善しなかった。再犯の恐れは非常に大きい。保護処分では罪と向き合う機会を奪う」と述べた。「遺族が厳重な処罰を望んでいる」などとして、当時15歳だった点などを考慮しても不定期刑の上限が相当とした。
弁護側は最終弁論で「少年院では投薬治療が中心で、トラウマへの精神療法、心理療法が行われないなど(対応は)不適切だった。自力で更生できなかったことが、全て少年の責任とは言えない」と主張。「大きな変化が期待できる10代の今だからこそ、医療少年院での治療的養育が重要。治療を放置すれば、再犯の可能性は高まる」と述べた。
少年は最終意見陳述で、裁判長から言っておきたいことを問われ、「特にないです」と答えた。
起訴状によると、少年は同年8月28日夜、商業施設内で包丁2本を盗み、女子トイレで女性の首や顔を何度も突き刺して殺害したなどとされる。 (吉田真紀、山口新太郎)
「少年の経歴や生い立ちばかり問われている」
15日の公判では、殺害された女性=当時(21)=の母親が証人尋問や意見陳述のために出廷し、「少年が生きていくことが許せない。厳罰を望みます」と訴えた。ついたてに囲まれた証言台で母親は「少年の経歴や生い立ちばかりが問われている気がする。娘のことや遺族のことを深く考えていただきたい」と強調した。
女性は母親と兄の3人家族。右腕に障害のある母親のために、女性は子どものころから重い荷物を運んだり、髪を結ったりしてくれた。母親は「明るくて優しい子だった。人を傷つけない、思いやりのある子に育った」と、懐かしむように語った。
「早く自立したい」と、女性は中学卒業後に働き始めた。飲食店でアルバイトしていた時には働きぶりが認められて名刺を作ってもらい、うれしくて部屋に飾った。友人と食事中、妊婦の女性に財布を盗まれ、「お母さんになるんやろ。恥ずかしくないの」と諭したこともあったという。
警察から事件の知らせを受け、「体が震えて足がおぼつかなくなった」。遺体と対面し、?ずりしたが、体は冷たかった。遺体の傷を直視した。「あまりのすごさに、悔しいね、痛かったね、と何度も声をかけた」と、涙ながらに話した。
通夜、葬儀には友人ら200人以上が参列した。「こんなに愛されていたのかと誇りに思うと同時に、少年への憎しみがどんどん湧いた」
少年は被告人質問で勾留中に被害者や遺族のことを考えたか問われ、「一切考えたことがない」と答えた。遺族への謝罪の言葉もなかった。「少しはまともな言葉が返ってくるかもしれないと思っていたのに悔しい」。少年が「更生したいが、たぶんできない」と述べたことについては「正直悲しい気持ちになったが、同情できない」と複雑な思いを吐露した。(田中早紀)
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