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- ルドベキア(公平)
- 22/07/12 11:41:47
両親と兄から虐待経験があり、現在1児の父親であるお笑い芸人・若井おさむさんに話を聞いた。
母にはマッチの火を当てられ…
『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイのモノマネで知られる若井おさむさんは、その芸風からは想像できない過去を持つ。京都に生まれ、両親と4歳上の兄と4人家族だった若井さんは幼少期、その3人から虐待を受けていたのだ。
「父と兄にはよく殴られました。兄に釣り竿でしばかれ、顔にミミズ腫れができたことも。母はよく僕の尻にマッチの火を当てました。誕生日やクリスマスを祝われた記憶がない。秀才の兄は溺愛され、おもちゃはなんでも買ってもらえた。だから、長男はかわいがられて当然なんだと幼い僕は思い込んでいたんです」
両親は共働きで、家族で食卓を囲んだ記憶はない。
幼い若井さんは、近所にある母の実家で一人、祖父母と朝晩食事を取った。家には眠りに帰るだけ。「兄がどうしていたのかはわからない」という。
兄を恐れて猛勉強。同じ高専に入学
若井おさむ そのうち兄は高専に入学して下宿。しかし兄は長期休暇で家に戻るたび、勉強が苦手な若井さんを責めたてた。兄を恐れて猛勉強し、同じ高専に入学したものの、若井さんはずっと落ちこぼれだった
「寮で初めて自由な生活を手に入れたら、当然勉強もしなくなり、すぐ中退しましたね」公立高校に編入後は無事卒業。日中は鮮魚市場で働き、夜は居酒屋バイト。仕事に明け暮れ貯めたお金で、23歳にして地元で居酒屋を開いた。をかばってくれた父が…
「開店時は父が名義を貸してくれました。その頃の父は僕に優しくて『小さい頃のお前は本当にかわいそうだった』と言って、店にもよく飲みに来ました。ところが父は、僕をかばったせいで、母と兄にいじめられてました。そして僕が店を始めて3年後、うつ状態だった父は首を吊って死んでしまいました」
父の葬儀で母は「心臓発作で亡くなった」と嘘をついた。若井さんは「嘘をつくな!お前が殺したんだ!」と怒鳴ったが、誰も取り合わなかった。挙げ句、父の名義だったせいで自分の店も母と兄に取られてしまう。全てを失った若井さんは死ぬことも考えた。
しかし、ドラマ『伝説の教師』(’00年放送)で松本人志が放った「笑いながら死ぬか、笑わんと死ぬか、お前が決めたれ」という台詞に励まされ、28歳で大阪吉本の養成所に入り、芸人になる。やがて若井さんはブレイクし、上京を果たす。幼い頃の一人遊びを芸に昇華し、お茶の間を笑わせたのだ。
虐待母と16年ぶりの再会。絶縁を決意
若井おさむ
妻と子と一緒に幸せそうに笑う若井さん。「子供はとにかくかわいいです。子育ては妻と協力してやってますね」
「仕事も一段落し、唯一の心残りが母のことでした。それで7年前、過去を払拭するため16年ぶりに会いました」
再会した母は、最初こそ昔の過ちを謝罪。しかしその後は、兄の自慢話を繰り返した。
「母は何も変わってなかったんです。でも、会ったことで、ようやく縁を切ろうと決意できました。会わなければ生涯モヤモヤを抱えたでしょうね」
昨年、若井さんは2度目の結婚をし、今年は子供にも恵まれた
「母が孫に会いたがってると聞きましたが、会わせる気はないですね」
取材の最後に「かなり日焼けしてますね」と言うと「子供とよく公園で遊ぶからかな」と笑って言った。
「虐待経験者の大半は自分の子供を虐待するそうですが、僕は絶対、“例外”になります」
【若井おさむ】
お笑い芸人。’00年代半ばにアムロ・レイのモノマネでブレイク。今年2月に第1子が誕生。現在はキックボクシングのトレーナーもしながら家族を養う
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