- ニュース全般
- デボンレックス
- 22/03/13 14:06:28
「正直、まだ会いたい」 軽度知的障害の女性、オレオレ詐欺で有罪判決から1年…利用されても断ち切りがたい共犯者への思い
3/13(日) 10:30 Yahoo!ニュース
「軽度知的障害のある人が犯罪に巻き込まれる」
そのように聞いて思い浮かべるのは、加害者、それとも被害者としての障害者像だろうか。
オレオレ詐欺の「受け子」をつとめ、逮捕・起訴された女性(20)を2021年3月の初公判から取材した。彼女の知能指数(IQ)相当値からは、軽度知的障害に該当すると診断されている。
執行猶予付きの有罪判決を受けたあと、グループホームで生活しながら自立を目指す彼女について、相談支援事業所の責任者は「彼女には被害者の側面もあります」と話す。
女性は「オレオレ詐欺」という言葉だけは知っていたが、「オレ、オレは、男の人に関係する詐欺だと思っていたから、自分には関係ない」ことだと考えていたと語る。
事件から1年以上が経った今でも、女性は自分を「受け子」にした共犯男性への思いを完全には捨て切れていない。法廷で語られることのなかった本音を聞いてきた。(編集部・塚田賢慎)
ネイリストに憧れる20歳の女性
長谷川あかねさん(仮名)は、地方で生まれ育った20歳の女性だ。
東京にやってきて、特殊詐欺の「受け子」をつとめたために、逮捕・起訴され、昨年6月、懲役2年6月(求刑3年・執行猶予4年)の判決を言い渡された。
被害者の80代男性は、電話口で異常に気づき、通報していた。長谷川さんは、受け渡しの現場で、待ち構えていた警察に現行犯逮捕された。
判決を受けた日から、同じように障害などのある女性らとともに、都内のグループホームで生活している。
更生支援計画書にのっとり、規則正しい生活を送ることで自立を目指す。
ただし、許可のない外出や、携帯電話の使用は禁止されており、家族とも好きに連絡できないため、ストレスも感じている。
ホームでの取材は今年の1月中旬と2月上旬におこなった。1月の取材日は、たまたま事件からちょうど1年。長谷川さんは「もう1年。早いですね」と驚いていた。
「せっかく東京に来たから、原宿か新大久保のネイルに行きたい」
彼女にはネイリストになるという目標があり、ぼんやりとながら進路を考えている。
●中学で軽度知的障害の診断を受けた
昨年、「のんの相談支援事業所」の責任者・楠原公代さんから記者のもとに、「今度、特殊詐欺で利用されてしまった少女の受け入れ要請があった」との連絡を受け、裁判を傍聴した。「このように巻き込まれるケースが最近多く聞かれる」という。
長谷川さんは中学生のときに軽度知的障害とわかったそうだ。言語理解が苦手で、人に言葉で伝えることが特に苦手だという。また、記憶力、計算能力、集中力も低いとされた。
逮捕から初公判(3月)までの2か月間で、事件を起こした長谷川さんには国選の弁護人がつき、社会福祉士が更生支援計画書を作成、釈放された際の受け入れ先(同グループホーム)も決まっていた。
3月中旬、東京地裁。
入廷した長谷川さんは緊張しているように見えた。
《顔の向きは検察席に向かってまっすぐでも、気になるのか、目端(左)で傍聴席を見ている。綺麗に爪を整えている》などと当時の取材ノートにはある。
一緒に逮捕された知人男性(実際は本名)や氏名不詳の者らとともに、孫や孫の上司などになりすまし、80代の男性宅に何度も電話し、「仕事で現金を至急必要としている」「上司の姪にお金を渡してほしい」と伝えた。しかし、不審に思った80代男性が、警察に通報していたことから、現金200万円(実際は警察が用意した偽金)の受け渡しの際に、警察に現行犯逮捕され、未遂に終わった。
検察官が上記の公訴事実を朗読する。「間違いがないか」と裁判官から問われた長谷川さんは、「はい、はい」とうなづいたが、「間違いがないか」ともう一度念押しされると、ちょっと左に首をかしげて、自信なさげに「はい」と答えた。
証拠調べ・論告・弁論は次回日程でおこなわれた。この日の初公判のなかで、長谷川さんの障害について触れられることはなかった。
事前に生い立ちを教わっていなければ、傍聴席からは、長谷川さんに知的障害があることがわからなかったはずだ。
父親以外の家族全員が知的障害の可能性
続きはこちらから
https://news.yahoo.co.jp/articles/c42db8bfdf540acae6ae8df114bef7fc9454c056
- 0 いいね