コロナ治療薬開発のレナサイエンス、マザーズ上場 東北大発ベンチャー

匿名

レンレン

21/09/26 20:14:25

9/25(土)河北新報

 東北大発の医療ベンチャー「レナサイエンス」(東京都中央区)が24日、東京証券取引所の新興市場マザーズに上場した。既に治験の最終段階にある新型コロナウイルス感染症の治療薬をはじめとした新薬候補の開発推進に加え、医療機器、人工知能(AI)といった幅広い医療分野で東北大や企業と連携した研究、開発を強化する。
 レナ社は東北大大学院医学系研究科の宮田敏男教授(分子病態治療学)を中心に2000年設立。宮田氏が発見した化合物を活用し、血栓や炎症につながるタンパク質の活性を抑える「PAI-1阻害薬」の開発などに取り組んできた。
 コロナ治療薬としての治験は、昨年10月からの前期試験で安全性を確認し、現在は国内外の約100人への後期試験を実施中。自宅で内服できる経口薬として肺障害を解消する効果が期待でき、来年3月の治験終了後の速やかな承認と製品化を目指す。
 PAI-1阻害薬は慢性骨髄性白血病、メラノーマ(悪性黒色腫)でも治験が進む。
 また、使い捨てで安価な極細内視鏡の事業化を年度内に予定するなど医療機器開発にも注力。呼吸や嚥下(えんげ)機能、小児発達障害といった診断にAIを応用する研究も有力な事業分野だ。
 24日は公開価格670円を上回る初値976円を付けた。224万株を公募し、資金調達は16億円を超える見通しで、今後は東北大などからの人材確保も進める。
 21年3月期の売上高約2億900万円、資本金約9億円、従業員7人。
 取締役会長を務める宮田氏は「医療の現場に少しずつでも確実に成果を還元するとともに、東北大や地域の活性化という社会的責任を果たしていきたい」と抱負を語る。
 レナ社に対しては東北大出資のファンド運営会社、東北大ベンチャーパートナーズ(仙台市)が1億1100万円を出資。投資先の東北大発ベンチャーで初の上場に樋口哲郎社長は「レナ社の成長だけでなく、東北大の学生が起業や上場を目指すような機運を生み出す効果も期待したい」と歓迎する。
 同じく5000万円を出資する七十七銀行グループの七十七キャピタル(同)の投資先としては2件目の上場となる。

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