- ニュース全般
- ランプ
- 21/09/13 14:11:06
新型コロナウイルス感染症の「第5波」の影響により、保育現場に動揺が広がっている。厚生労働省によると、2日時点で全面休園した保育所がこれまでで最も多い185カ所になった。保育所からは「保育士全員がワクチンを打っても不安が拭えない」との声も出ている。
■張り詰めた空気
神奈川県内にある社会福祉法人では運営する4カ所の保育所のうち、8月末までに2カ所で新型コロナが発生。同法人の理事は「園内には張り詰めた空気が今も続いている」と話す。
幸いにも子どもに感染は広がらず、2週間の休園後は通常に戻った。しかし、送迎で保護者を園舎に入れないなど感染対策を徹底しているという。
自治体の優先接種もあり、保育士のうち8割が2回目のワクチン接種を終えた。しかし「デルタ株の感染力は強い上、保育士は子どもとの接触が避けられず、不安は拭えない」(理事)。
親がコロナに感染していたことを隠し、子どもを通園させていた事例もあったという。「発達障害や知的障害のある親もおり、今後も丁寧に感染対策を説明したい」と語る。
■休園の保育所は最多
厚労省によると、子どもや職員が新型コロナに感染したことで休園した保育所などは2日時点で185カ所に上った。2カ月前と比べ10倍以上だ。
地域も埼玉、千葉、東京、神奈川といった首都圏だけでなく、北海道や福岡など15都道府県と広範囲だ。また累計で新型コロナが発生した保育所などは5000カ所を超えており、全体の6%に上る。
休園が最多になった理由について厚労省は「正確な原因は不明」としながらも「全国の新規感染者の増加と無関係ではないのでは」と話す。
■原則開園が使命
多くの保育所では、保育士へのワクチン接種が進んでいる印象だ。東京都台東区では、区私立保育園連合会と区私立幼稚園連合会が6月上旬、区長に対してワクチンの優先接種を要望。その結果、6月下旬には優先接種が始まったという。
こうした対応について、社会福祉法人康保会の遠藤正明・康保会乳児保育所園長は「迅速な対応はありがたい。園児の親の中には看護師などエッセンシャルワーカーもいる。原則開園が我々の使命だ」と話す。
■子どもの定期検査を
感染対策を徹底する中で、限界を感じている保育所もある。
社会福祉法人愛隣会(東京都目黒区)の、のぞみ保育園では、感染対策として消毒する専門の職員を1人雇用した。また、園全体のイベントは縮小し、クラス単位などで実施。ワクチン接種も2回目を終えた保育士は6割に上る。
北村衛也・同園長は「幸い新型コロナはまだ発生していないが、ワクチンを接種できない子どもと接する以上、いつ起きてもおかしくない」と危機感は高い。その上で、「子どもへの定期的なPCR検査ができれば、保育士も安心して働けるのだが」と要望する。
https://news.yahoo.co.jp/articles/713e03e2b2a9d4f835a4b89cf92762a3b8479cd0
- 0 いいね