- なんでも
- シンシン
- 21/09/08 07:54:22
少し前、「子どもはコロナに感染しにくい」「感染しても重症化しない」といわれていた。
社会全体から見ればクラスター発生の割合も低く、死亡例はほとんどない。それなのになぜ12歳未満の子どもへのワクチン接種が叫ばれているのか？
厚生労働省のデータによれば、「10歳未満」の重症化リスクは、30代を基準にすると、半分の0.5倍となっている。
もちろん、重症化しにくいというだけで、重症化しないわけではない。感染の主流がデルタ株（インド株）に置き換わったことで、
陽性者数においても、クラスター発生の割合においても「幼児・児童」は増えている。
陽性者数が増えれば、相対的に重症化してしまう子どもが増えてしまうのは当然だ。
今年１月６日までの累計陽性者に占める10歳未満の割合は2.4％程度だったものの、
およそ半年後の７月28日には3.5％にまで上昇。これが８月25日から31日までの１週間に限れば、
10歳未満の陽性者は１万4447人で、全体14万6831人の約10％になっている。
７月28日時点で10歳未満の重症者や死者はいなかったが、「入院治療等を要する」という10歳未満は2547人もいた。
子どもの陽性者が増えているのはアメリカも同じ。７月30日から８月５日までの１週間で、
子どもの新規陽性者は約９万4000人。およそ１カ月前に比べ10倍以上の増加となり、全体に占める子どもの割合も約14％となった。
米小児科学会は米食品医薬品局（FDA）の長官に対し、12歳未満の子どもへのワクチン接種を早急に始めるよう要請している。
ワクチン接種が進むことで、今度は未接種の人に感染がシフトしていく現象はよくあること。
日本では赤ちゃんのうちに「麻疹」や「百日咳」のワクチンを打つが、最近は「大人の麻疹」と言われるように、大人でもかかるようになっている。
やはり12歳未満の子どもでもワクチンを打った方がいいのだろうか。コロナは軽症や中等症でも十分に苦しい。
大人より頻度は低いとはいえ、子どもでも後遺症に悩まされることはあるし、極めて少ないながら川崎病に似た多系統炎症性症候群（MIS-C）という重症になるケースもある。
仮に無症状でも最低10日間は自宅療養のため、学校や幼稚園にも行けず、近所の公園で遊ぶこともできなくなる。
コロナにさえかからなければこうした心配も少なくなるが、ワクチンはどれくらい感染防止に効果があるのか？
和歌山県が興味深い調査を行っている。７月11日から８月10日まで同県で感染が確認された計568人を分析したもの。
このうち「ワクチン２回接種者」の感染者は25人、「１回接種者」が45人、「未接種者」が498人だった。
人数に占める感染割合は、ワクチン未接種者に比べて２回接種者は約93％も減少。未接種者が100人感染するケースで、
２回接種者なら７人しか感染しないことになる。また、１回接種者でも未接種者に比べて約55％減少している。
さらに、ワクチン接種回数別の「有症率」の結果も注目に値するだろう。感染者の「無症状」「有症状」の割合に大きな差は見られなかったが、
やはり人数で比較してみると、ワクチン２回接種者の「有症状」は未接種者に比べて95％減少し、１回接種者も55％減っているのだ。
つまりどういうことかというと、ワクチンを打てば感染そのものが減ると同時に、
頭痛や発熱などでベッドの上で苦しむことも避けられる可能性が高くなる。
極端な話ではあるが、無症状ならコロナは怖くない。もちろん、他人へうつしてしまうことだけは注意したい。
「感染者数から推定すると、２回接種による感染減少は未接種に対し、高い効果が見られました。
ただ、ワクチン２回接種者においても感染し、発症する者がいることも分かりました。
２回接種者から他者へ感染させる事例もあることから、ワクチン接種者でも感染予防対策を実施することが重要と考えます」（和歌山県福祉保健部）
中学生の娘が２人いるという大阪大学医学部の忽那賢志教授は、子どもが重症化する可能性はかなり低いとしつつ、
２人の娘がワクチン接種するメリットを「男性で高血圧の持病を持ち肥満でもある私が感染して重症化するのを防ぐという意義がある」とややジョークを交えて語っている。
子どもに限らず、ワクチン接種率が高くなれば、全体の感染者が減るという効果がある。
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