障害児はうみたくない へのコメント（No.283）

>>283
少しマジレスしますね．
長いけどすごく伝えたいので．

まず，先天的な障害と，感染症に感染するか新たな疾患に罹患するかは，概念が全く別です．
医学的に全く別物であることもそうですが，社会的に最も違うのは倫理観が加わる点です．

コロナをはじめとする感染症にしろ他の疾患にしろ，
・原因がある程度わかっているので，予防する
（ウイルスに対するワクチン，普及している予防接種などがそれです）
・原因不明でも治療法はある程度確立されたものがあるから治療する（抗がん剤などが聞く機序はわかっていても，癌ができる根本的原因についてはまだわかっていないものも多い）
などの話になります．

しかし，先天的に障害を持ったお子さんについて，
・まず原因不明のものが多く
・予防できないことが多い
です．
それでも例えば，風疹の予防接種をしましょう，や，葉酸をとるようにしましょう，というのは長年の医学の進歩から「先天障害を未然に防ぐために施せるようになった対策」の一部です．

主さんはこういった，積極的予防策については少しでも考えたことがありますか？
既に社会は今までの経験から，少しでも赤ちゃんが健全に生まれるような対策や研究を地道に続けています．
主さんがおっしゃる，「予防策が必死でとられ、可能性が０でなくても少しでも下げる行動」を社会と医学界がとってきた結果が今です．

主さんはなぜ，御幣を恐れずにいえば，赤ちゃんを殺す方向ばかりに思いがいくのですか？
それが先にいった，倫理観が大きく影響するという意味です．

予防策という点で命を未然に奪う，という方向性で論じることは非常に危険です．
他の方も「危険」といっているのはそういう意味です．
「誰も論じないけどみんな思っていること」，そういう前提で優生保護法などができてきたんでしょう．
それが歴史の中でよくなかったこと，と認識され，優生保護法は廃止されたのです．
倫理観について社会が成熟した結果，このような危ない価値観をもった議論がまるで民意のようになされることがなくなり，法律もなくなりました．
危ない，という認識をもったのも，先人たちの行動の結果によるものです．
みんな思っているけどどうして議論しないの？ではなく，さんざんしつくされ過去に過ちを犯したから，その視点が淘汰され始めてきているのです．
あなたは社会の成熟に考えが追い付いていないにすぎません．
そういう人はまだたくさんいますが，その陰で悲しんできた人たちを救済したいと思う人が増えてきた今の社会のほうが，昔よりよっぽどましではないですか？

あと，自分が障害を持っているなら淘汰されるべきだった，というのは，健常者の傲慢な推論にすぎません．