- なんでも
- 一条兼定
- 21/02/08 15:08:11
新型コロナウイルスで、生活レベルを下げざるを得なくなった新階層”プア中流”。
今回は、夫の昇給を信じ私立小学校へ子供の進学を決めたものの、思わぬ収入減で計画が狂ってしまった平川美南さん(仮名・38歳・パート主婦)を取材した。
年間授業料を含め、初年度納入金は85万円。安くはないが払えない金額ではない……はずだった。
夫の年収700万円から550万円に激減したのだ。
在宅メインのテレワークになりました。家事や子育てを手伝ってくれるのはいいのですが、残業がなくなったため諸手当が減り、家計は苦しくなる一方。
車検も重なり、頭の痛い出費は続く。平川さん一家の住まいは埼玉県中部の2LDKで家賃9万円。
以前ならば余裕で支払えた家賃を見直すことにし、月6万円のマンションへの転居を決めた。
「築25年と古く以前より手狭にはなりましたが、仕方ありません」
食品加工工場でのパートを決断。
夫のゴルフセットと平川さんの高級ブランドバッグをフリマアプリで売却し、
さらに付近の食品加工工場へパートに出ることも決めた。
工場は外国人労働者を積極的に採用しており、同じ私立小学校へ通う保護者と顔を合わせる危険性が低いからだ。
「仕事をするのは8年ぶり。失敗が多くベトナム人の先輩らに叱られてばかりですが、私が学費を稼がなければ……」
「最近は一日に数時間しか娘と会えていません。でも、コロナが終われば、きっとすべて良くなるはず」
すべては家族のため。中流を維持するため平川さんの夜勤は今日も続く。
<取材・文/週刊SPA!編集部>
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