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- 馬場信春
- 21/01/28 11:56:59
出産費用払えない…コロナ禍で養育費ストップ シングルマザーの訴え
1/28(木) 10:12配信
新型コロナウイルス禍で生活苦に陥り、出産費用を支払えない家庭が出ている。健康保険に加入していれば「出産育児一時金」が支給されるが、それだけでは足りないケースも。不況による収入減もあり表面化したようだ。福岡市の女性(28)は、離婚した夫の養育費が滞り、お産の緊急処置も必要になったため支払えなくなった。同じような目に遭う人が増えないよう、「一時金や貸付制度を充実させて」と訴えている。
女性は昨年1月に離婚し、当時2歳の長女と生後10カ月の次女を引き取った後に妊娠が分かった。
間もなくコロナ禍が拡大。離婚した夫は建設業の一人親方をしており、仕事も収入もなくなった。養育費は途切れ、ひとり親家庭に支給される児童扶養手当が頼りになった。出費を切り詰めて産婦人科に予約料15万円を支払い、無痛分娩(ぶんべん)で生むことにした。
無痛分娩は麻酔により痛みを和らげる方法で、自然分娩より数万円から十数万円ほど高額とされる。それでも選んだのは、長女と次女の時に難産と強い痛みを経験したため。特に長女の出産は2日間に及び、次女のときに「痛さでもん絶した」苦しみは二度と味わいたくなかった。費用は、予約料15万円に加えて、子ども1人当たり42万円が支給される出産育児一時金を足せば、賄えるはずだった。
出産当日。やはり難産になり、予定外の処置が必要に。3時間ほど痛みに耐え、女の子が誕生した。うれしさがこみ上げた。
だが、退院前に手渡された請求書には8万円近い追加費用が記されていた。もう蓄えはなかった。
「支払わないと退院できません」「出生届もお渡しできません」。担当者に言われ、途方に暮れた。
女性は生後すぐから中学卒業まで児童養護施設で育った。唯一の身内である父親にも引き取りを拒まれた。その父も4年ほど前に死去。身寄りは誰もいない。
困り果て、生活困窮者の支援活動に当たる知人男性(51)に相談。アパートの入居などで以前から助けられ、今回も交渉してくれた。追加費用の連帯保証人になってもらい、ようやく退院。その後に入った養育費で残りの分を支払った。
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