「コロナは茶番」侮る人の大量発生を防げない訳

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    • 今川義元
      20/12/27 14:57:30

    マッチョ型コロナ否認は、不安逃避型コロナ否認と親和性が高い。マッチョ型にとって、実のところただの風邪とするか、フェイクとするかはさほど重要な問題ではない。起点にあるのは「大したことは起こっていない」という正常性バイアスであり、最終的には人類史という時間軸で被害を相対化しようとするからだ。そういう意味で日本においては欧米に比べてかなり低い人口当たりの死者割合や、その有力な因子を指すファクターXはむしろ裏目に出ている。

    不安逃避型コロナ否認は、コロナは真っ赤なうそであり、新型ウイルス自体が捏造されたもので、現実には存在しないと力説する。コロナワクチンはマイクロチップを埋め込む方便で、人々を監視し奴隷化しようとしている、5G(第5世代移動通信システム)の電波がすべての原因である云々。陰謀論とは、いわば正常性バイアスを豪華に飾り立てる魅力的な物語なのである。「大したことが起こっていない」が真であれば、危機は作り出されたものと考えるのが合理的だ。数十億人もの人々がまんまと騙されているというわけである。

    そもそも病原体に対する否認主義は、新型コロナウイルスが初めてではない。かつては「エイズ(HIV感染症)は存在しない」と声高に唱えたグループがいたからだ。社会心理学者のセス・C・カリッチマンは、『エイズを弄ぶ人々 疑似科学と陰謀説が招いた人類の悲劇』(野中香方子訳、化学同人)で、いかに多くの人々が誤った知識の犠牲になったかを歴史的に追及しているが、他方で「宗教が世界に意味を持たせるように、陰謀説は説明しにくいことを説明する」とその魔力を見抜いた。名指しできる〝主犯〟が明らかになれば、不愉快な複雑性と向き合わずに済む。

    不安逃避型コロナ否認にとって、主犯は世界政府や秘密結社などだが、スピリチュアル型コロナ否認にとっての主犯は神や宇宙である。どちらもコロナ禍は何者かが意図的に作り出したものと捉える。とはいえ、スピリチュアル型は災い転じて福となす系統であり、自己愛を満たすための聖なるお告げに変身を遂げる。

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