- なんでも
- 宮本武蔵(強い)
- 20/12/25 15:44:01
「被害者の方には、何をおいても申し訳ない気持ちです」。福岡市中央区の大型商業施設で8月、買い物客の女性(21)が殺害された事件を巡り、殺人容疑などで逮捕された少年(15)の祖父が、西日本新聞の取材に重い口を開いた。
少年が生まれ育った鹿児島県内の小さな集落。ここに住む祖父の一軒家の玄関には、少年が図工の授業で作った人形が飾られていた。かわいがっていた祖母(故人)と風呂に入り、大きな声で数字を数える練習をした。祖父母と畑に出掛けて一緒に弁当を食べ、「楽しいね」とはしゃいだこともあった。祖父は「明るくてよく甘えてくる、かわいい孫だった」と目を赤くした。
幼少期から他者との意思疎通が苦手な一面があり、発達障害と診断されていた。強い口調で叱られたときなどは、かんしゃくを起こして手が付けられなくなったという。
「優しく受け止めるように心掛けていたが、自分に向かってきたときには厳しく叱りつけたこともある。障害の特性について勉強はしたが、分からないことも多かった」と明かした。
少年が通った小学校の関係者によると、包丁を振り回す騒ぎを起こしたこともあったという。高学年からは家族の元を離れ、児童自立支援施設や少年院など数カ所の施設で過ごした。
最後に言葉を交わしたのは、数年前に施設からかかってきた電話だった。「じいちゃん元気? 僕も元気に頑張っているよ」。しかしその後、暴力問題を起こし、さらに別の施設に移された。
「またここに戻って来ると思っていた」。祖父は涙声で漏らした。
続く
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