- なんでも
- あんみつ
- 20/12/22 21:33:23
この半年間、私が指導係を務めてきた子
年内はあと3日しかなくて、しかも明日明後日は私が出向だから
今日のうちに少しお話ししようと思って、帰りにイルミネーションを見に誘った
私「寒いねー」
彼「寒いですね」
私「手、つないでいい?」
彼「え、あ…はい」
私「何年ぶりだろう。こうやって男の子と2人でイルミネーション見るの」
彼「旦那さんとは?」
私「別れたの。8年前、34歳のとき」
彼「そうだったんですか。変なこと聞いてごめんなさい」
私「ううん。気にしないで。それより…」
彼「それより?」
私「あなたは彼女いるの?」
彼「いないですよ」
私「嘘だぁ。モテるでしょ?」
彼「モテたことないですよ」
私「嘘つき」
彼「ほんとですよ」
私「そこのベンチ、座らない?」
彼「はい」
私「どっこいしょ、と」
彼「あの、何か飲み物買ってきましょうか?」
私「いいから、私の隣に座って」
彼「あ、はい」
私「もっと近く」
彼「え、あ…はい」
私「私のここに手を置いて」
彼「え」
私「そして、こうやって手を重ねるとね…ほら、あったかい」
彼「そ、そうですね」
私「……」
彼「何してるんですか?」
私「見つめてるの。あなたってまつ毛長いね」
彼「それはよく言われます」
私「目がきれい」
彼「子供の頃は女の子みたいで嫌でした」
私「かっこいいよ。マスク取って、顔よく見せてみて」
彼「え、でも、コロナが」
私「一瞬だけ。私もはずすから」
彼「じゃあ、一瞬だけ」
私「もっと近くで顔見たい」
彼「でも…」
私「どれどれ…」
彼「近すぎないですか?」
私「近すぎない。ねぇ」
彼「はい」
私「キスして」
彼「ダメですよ」
私「してくれないなら、私からするよ?」
彼「いや、あの…その前に大事な話があるんで、聞いてもらっていいですか?」
私「大事な話?」
彼「ちょっと一旦離れてください」
私「大事な話って何?」
彼「あの、僕、年内いっぱいで辞表を提出しようと思ってるんです」
私「えー!なんで!?」
彼「この会社が嫌いなわけじゃないんですけど…」
私「だったら辞めなくていいんじゃない?」
彼「そうなんですけど。自分の能力をもっと別の仕事で活かしたくて」
私「今の仕事でもあなたの能力は活かせると思うよ」
彼「だけど、何だか『違う、この仕事じゃない』って、ずっと感じてるんです」
私「私の指導が悪かったせい?」
彼「いえ、この半年間ご指導いただいて、感謝しています」
私「じゃあ、キスして。それから一緒に考えよう」
彼「無理ですよ」
私「じゃあ、退職も許可しない」
彼「〇〇さんにそんな権利ないじゃないですか」
私「ある」
彼「寒くなってきたんで、今日はもう帰りませんか?」
私「やだ」
彼「じゃあ、すみませんが、先に帰りますね」
私「それはもっとやだ。一緒に帰る」
で、駅まで歩きながら会社を辞める辞めないの話して、ホームで別れて帰ってきた
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