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- 古田織部
- 20/11/19 21:33:58
2020年11月14日 6時0分
文春オンライン
神奈川県座間市のアパートで男女9人を殺害したとして、強盗・強制性交殺人罪などに問われた白石隆浩被告(30)の裁判員裁判が続いている。舞台は、東京地裁立川支部の101号法廷。地裁は9月30日の初公判以来、被害者9人を犯行順に3組に分けて裁判を進めてきた。11月10日の第17回公判からは3組目、残る8、9人目の被害者の審理が始まっている。
【画像】法廷での白石被告
「法廷は遺族など被害者参加人が着席できるよう、傍聴席の3分の1はパーテーションで区切られています。新型コロナウイルス対策で座席は一席飛ばしで、一般傍聴席は十数席程度。初公判時は625人、以降も50人前後の希望者が抽選に並んでおり、地方の裁判所としては注目度が高いと言えます」(社会部記者)
判決まで公判は全24回の予定 ©共同通信社
白石の口からはこれまで、被害者の首を絞めて失神させ、遺体をノコギリ等で解体していく手順や、遺体の一部を鍋で煮ていたことなどが具体的に語られてきた。さらには女性の被害者8人は全員、失神させた上で姦淫したことや、その際に乳首を舐めて硬くなる様子に興奮していたことなど、異常な性癖についても次々と明かされていく。
「遺族の代理人からは、裁判が始まる前から報道内容には配慮するよう求められました。実際、法廷での白石の証言内容はあまりにおぞましく、報道各社も表現を丸めるなどの対応を迫られている。民放では、性的暴行の内容に触れていない局もありました」(同前)
気丈に審理を見守る若い女性裁判員
事件の残虐さもあってか、懸念されていた通り、裁判員には辞退者も出た。そうした中、この“異常法廷”に臨んだ6人の裁判員。中には若い女性もいるが、おぞましい白石の証言から目を背けることもなく、気丈に審理を見守っている。
「白石は遺体を解体する手口など、犯行の残虐さを問う検察側の質問にはしっかりと答える一方、『水を飲みたい』としばしば公判を中断させるなど、弁護団には反抗的な態度を貫いてきました。中でも男性弁護人の1人からの質問には、『あなたは信用できないから答えません』と回答の拒否が目立ちます」(同前)
そのため、白石証言の信用性を巡っては、検察側が「信用できる」、逆に弁護側が「信用できない」と主張するなど、“ねじれ状態”が続いているのだ。
「争点は、被害者自らが殺害されることを承諾していたかどうか。女性たちは自殺願望をツイッターに投稿していましたが、白石自身は『死を承諾していた人はいなかった』と一貫して主張し、9件の『殺人』を認めています」(同前)
ここまで、証人として公判で証言した被害者の家族らは一様に「死刑を望みます」と話している。裁判所の判決は12月15日に言い渡される予定だ。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年11月19日号)
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