熊本市の住宅街で、地盤沈下相次ぎ家が傾く

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20200826/5000009737.html

熊本市西区の住宅街でことし２月から、民家が傾いたり地面が陥没したりするなど地盤沈下とみられる被害が相次いでいることがわかりました。
近くでは道路工事に伴う地下水の排水作業が行われていて、市では工事が影響していないかなど、原因について詳しく調べることにしています。

熊本市によりますと、ことし５月、西区谷尾崎町の住民から、２月ごろから周辺の１３棟の住宅で建物が傾いたり地面が陥没したりする被害が相次いでいると、報告があったということです。

市が調べたところ、地盤沈下が起きていることが確認されたということです。

住宅からおよそ２００メートル離れた場所では、市中心部の渋滞を緩和するため環状道路の工事が進められていて、ことし２月からは湧き出た地下水を排出する作業が行われていたということです。

地下水は多い時で１時間に１００トンほど湧き出ていましたが、先月には止まったということです。

市では来月中旬から地下水や地盤の調査を行い、工事が住宅街の地盤沈下に影響していないかなど、詳しい原因について調べることにしています。

地盤工学について詳しい、東京大学の小長井一男名誉教授は「熊本市は阿蘇山の噴火によってできた透水性が高い地盤で、上水をすべて地下水で賄う世界でも珍しい都市だ。いたるところに地下水が流れているので、工事が原因の可能性も考えられるが、すぐに特定するのは難しい。時間をかけて調査を行う必要がある」と話しています。