- ニュース全般
- 堀秀政
- 20/08/17 20:24:36
「コロナで失われた1年」テレビはその一端を担った張本人
2020/08/16 06:00
先月国会で「来月(8月)は目を覆うようなことになる」と語った児玉龍彦東大先端研名誉教授。コロナ感染者数はその通りになっている。そして今月7日、BS-TBS「報道1930」に出演し、5月、6月の感染数が減った時期にエピセンター(震源地)が「新宿にできたので、急いで潰さないと大変なことになると申し上げたわけですが、残念ながら今日で2週間になるが、何も手が打たれない」「PCR検査をやれというのは(感染が)下がった時に徹底的にやって潰しなさいということ」と語った。
ところが、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」コメンテーターの玉川徹(写真)は「(無症状の人に)PCR検査を広げることになぜ反対なのか」(13日)と相変わらずPCR推進であおりまくる。児玉名誉教授が言っているのは無症状感染者もいるエピセンター潰し。やみくもにPCRをやれとは言っていない。
週刊文春8月13・20日号「阿川佐和子のこの人に会いたい」で症状がなくても検査を受けられないかと聞かれた河岡義裕東大医科学研究所感染症国際研究センター長が「どうして無症状なのに検査を受けたいのですか」と阿川に聞くと「自分が感染者だったら他の人に迷惑をかける」と答えたが、「その理屈だと毎日PCR検査を受けないといけなくなりますよ」と諭された。しかし、玉川や同番組の岡田晴恵白鴎大教授はPCR推進一点張り。
政府の分科会メンバーで初期からクラスター対策を担当した押谷仁東北大大学院教授は「メディアがPCR推進派と抑制派という二項対立をつくったことが問題だ。われわれ専門家会議は初めからずっとPCRを拡充すべきと言っている」(Newsweek8月4日号)とメディアを批判した。
5月、6月といえば小池都知事が「夜の街」に責任を押し付け、都知事選を控え、対策がブレまくっていた時期。メディアが叩くなら小池の無策だろう。それが大阪や沖縄のエピセンター化までつながったとすれば小池の責任はさらに重大。ところが、テレビは予算が激減した都の、コロナCMを再び流して都の広報と化している。
コロナで失われた1年になりそうな2020年。一端を担った張本人はテレビだ。
(峯田淳/日刊ゲンダイ)
写真:テレビ朝日・玉川徹もPCR推進を訴えている(C)日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277365
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