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- 建治
- 20/07/02 15:45:31
新型コロナ、「本日の感染者数」に一喜一憂する人が忘れがちな“死者数の傾向”
2020年7月1日掲載
48、54、57、60、58、54……。これが何の数字が、お分かりだろうか。勘のいい人は答えが浮かぶはずだ。「6月25日から30日にかけて、東京都が発表した新型コロナウイルスの新規感染者数」――が答えになる。
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6月29日のツイッターを見てみよう。午後4時過ぎにNHKのニュースサイト「NHK NEWS WEB」のリンクを貼る動きが目立った。
記事の見出しは「東京都 新たに58人の感染確認 4日連続50人超える 新型コロナ」で、午後4時半に配信されている。
《東京都の関係者によりますと、29日、都内で新たに58人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたということです。1日の感染の確認が50人を超えるのは4日連続です》
また、日本テレビ系列のニュース番組「news every.」(平日・16:53)は午後4時50分、「東京きょう新たに58人感染『夜の街』関係あるのは32人」と速報した。
こうした報道に、ツイッターでは、やはり憂慮する声が目立った。一部のツイートをご紹介しよう。
《月曜日で東京58人は中々やばい数字だな》
《東京58人 ホスト、キャバで30人以上 夜の街関連が注目されて2週間以上経っているのに。。》
《早く感染者増加の原因についての調査が始まって欲しい!早急に原因究明を!!》
感染者数の増減に“一喜一憂”してしまうのは仕方ないのかもしれない。とは言え、感染状況の全体像を見据える必要があることは言うまでもない。
まずは世界各国における新型コロナウイルスを死因とする死者数を、最新の数字で確認しておこう。
厚生労働省が毎日、広報している「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について」に、「国外の発生状況について」という欄がある。
それを見てみると、上は「中国」から始まり、最後は「レソト王国」まで、188の国と地域における感染者数と死者数が記載されている。
■折れ線グラフが物語る事実
6月28日の広報資料を使って、世界のワースト10と、アジア各国の状況を表にしてみた。ご覧いただきたい。まずは世界のワースト10からだ。
以前は欧米諸国がベスト10を“独占”してきたが、感染が拡大するにつれ、変化が生じてきたことが明確に分かる。
ブラジル、メキシコ、インド、イランの4か国で死者数が大幅に増えている。こうした国々は欧米の先進国と比較すると、衛生面や医療施設に問題のあるところが少なくない。今後、更に世界中の注目を集めるだろう。
それでは、次はアジア各国の状況をご覧いただこう。
こちらも、頭の中にあるイメージと異なる印象を持った方もおられるのではないだろうか。
インドが突出している一方、日本と韓国以下の4国は3桁台にとどまっている。死亡者0人の国や地域もあり、アジアの場合はベトナム、カンボジア、ブータン、モンゴル、そしてマカオとなっている。
それでは最後に、日本では新型コロナが原因で亡くなった方が、どのような増減を示してきたか、1日の死者数を折れ線グラフにまとめてみた。
資料の出典は、同じ「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について」だ。一部、その数字に改変を加えているが、理由などは末尾に記した。まずはグラフをご覧いただきたい。
東京都における最近の感染者数は、若者の割合が高かったり、“夜の街”でクラスターが発生したりしていることから、SNS上では非難する投稿も珍しくない。
だが、現時点でピークは91人が亡くなった4月22日で、グラフ上でも突出している。その後は細かな上下動はあるにせよ、減少に向かっているのだ。
もちろん今後、急速に感染者数も死者数も増加する可能性はある。それが現実化した際は、“正しく恐れる”必要があるのは言うまでもない。
だが、繰り返しになるが、今のところ死者数は減少傾向を見せている。そこまで“夜の街クラスター”を声高に攻撃する必要はないのではないか。
週刊新潮WEB取材班
デイリー新潮
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/07010800/?all=1&page=1
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