- ニュース全般
- 永万
- 20/05/19 12:22:48
今回の発言の重大さや女性差別を解消するためのシンボルとして、こうした動きはあっていいと思う。社会に一定の影響力を持つ人による公の場所での発言によって、仕事の一部を辞退する羽目に陥るのは「アリ」だろう。
また、性犯罪やセクハラを告発する「#MeToo運動」をきっかけに事実上、すべての仕事を失ってしまったアメリカ人俳優のケビン・スペイシー、監督のウッディ・アレンの場合とは違い、1番組からの降板が岡村氏のキャリアを全壊させるとも思えない。
ただ、これは岡村氏個人だけの問題ではない。風俗店だけに限る問題でもない。いったい、どこで線を引くべきなのか。岡村氏の降板で問題が解決できるのかという疑問がある。このため、筆者は「チコちゃん」降板を求める運動への参加には躊躇し、今のところ署名していない。
おそらく、今回の岡村氏の発言が放送されたことを知って、多くの女性はやりきれない思いを抱いたはずだ。このような発言が「面白いこと」として発言をするタレントがいて、放送OKを出した制作スタッフがいて、それを聞いて笑ったり、アドバイスとして好意的に受け取ったりするリスナーがいることがわかるからだ。
岡村氏やその発言は、氷山の一角だ。水面下に隠れている氷の大きさに、筆者はめまいがする。
「氷山」の全体は、女性差別を助長するような、女性に侮辱的な、女性を人間としてではなく、性的な「モノ」として見るような表現やこれを普通のこととする考え方である。岡村氏が「風俗野郎Aチーム」であること自体に、それほどの疑問も衝撃も感じない人がいる社会である。
例えば、ついこの間まで、コンビニエンスストアに行けば、書棚の片隅に成人向けと思われる性的画像を掲載する雑誌が置かれていた。
テレビをつければ、ミニスカートの女性が数十人で列をなし、舞台で歌い、踊っている。筆者はその光景を見るたびに、身震いがする思いがした。ヨーロッパの視点からは、幼少から10代半ばぐらいの子供を性的対象とみなす現象を連想させる。
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