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- 延文
- 20/05/03 21:04:17
新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出自粛が求められるなか、自宅で楽しめる本や映像作品を求めて書店やレンタルビデオ店の利用客が詰めかけている。休日になると、「3密」(密閉、密集、密接)状態になる店もあり、感染予防のため、従業員を休ませたり、休業を余儀なくされたりする店舗も。大型連休中も客足は途切れることなく続いており、不安のなかでの業務が続いている。
4月28日午後7時前。名古屋市内の書店では、若い男性会社員や高齢者などがレジの前に長い列を作っていた。連休を控え、実用書や小説などをまとめ買いする客の姿が目立つ。この店は、営業時間を普段より3時間短くし、混雑が予想される土日、祝日は臨時休業に。それでも売り上げは前年同期よりも1割増えているという。
学校休校の影響で、児童書や参考書の購入者も増加し、レジ前の行列は続く。店内に消毒液を複数置くなどの感染対策はしているが不安を感じる店員も。約30人いる従業員のうち6人は休暇を取っており、男性店長はため息交じりに話す。「店内で感染が広がることが心配。毎日が戦争のようです」
来店客増はレンタルビデオ店でも。「ゲオ」約1100店を構える「ゲオホールディングス」(名古屋市中区)の担当者は「肌感覚では4月以降、各地で客足は増えている」と説明。「TSUTAYA」を全国で約1200店展開する「蔦屋書店」(東京都渋谷区)によると3月以降、特に40代女性の来店が多いといい、担当者は「自宅で過ごす子ども向け商品を買い求めているのではないか」と話した。
ただ、来店者の増加は感染リスクと隣り合わせだ。4月30日現在、TSUTAYAは139店、ゲオは7店舗で休業。ゲオではさらに、来店をできるだけ抑えるために、旧作の貸出期限を7泊8日から14泊15日に延長した。
電子書籍や動画配信サービスが進む一方、書店などの客足が途絶えないのは、作品を手に取って選びたいという客側の思いがある。書店に通うのが日課という名古屋市名東区の女性(70)は「店に並んでいる本を手に取るのは、インターネットではできない楽しみ」と話す。レンタルビデオ店に通う同市瑞穂区の会社員、渡辺香織さん(31)は「動画配信サービスだと元々興味がある作品ばかり見てしまう。棚を眺めて気になるものを借りるのがレンタル店の醍醐味(だいごみ)」と店に通う理由を語った。
5月3日 19:45 毎日新聞
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