- ニュース全般
- 文中
- 20/04/11 14:46:58
新型コロナウイルスの感染者が急増しています。流行の懸念が高まる中「未知のウイルス」とどう向き合ったらいいのでしょうか。特徴や対策をまとめました。(厚生労働省などの資料から作成)
Q:コロナウイルスとは何ですか。
A:人に感染するコロナウイルスはこれまでにも見つかっています。昨年12月以降、中国で感染が相次ぎ世界中に拡大しているのが「新型コロナウイルス」で、7種類目に当たります。
既に知られているコロナウイルスのうち4種類は、一般的な風邪の原因となるもので、感染しても多くは軽症です。残りの2種類は、2002年に発生した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や、2012年以降発生している「中東呼吸器症候群(MERS)」で、重い肺炎になって重症化しやすいといわれています。
新型コロナウイルスが動物由来であるとの確定的な証拠は見つかっていません。遺伝子配列がコウモリ由来のSARSに近いため、コウモリが感染源となった可能性が考えられていますが、どのように人に感染したか詳しくは分かっていません。
Q:どうやって感染するの。
A:主に飛沫(ひまつ)感染と接触感染の二つが考えられます。飛沫感染は、感染者のくしゃみ、せき、唾などと一緒に放出されたウイルスを、他の人が口や鼻から吸い込むことで感染します。屋内などでお互いの距離が十分に確保できない状態で一定時間過ごすときは注意が必要です。
接触感染は、ウイルスがついたバスのつり革やドアノブなどに触れ、手や指についたまま口、鼻、目に触れることで感染します。
世界保健機関(WHO)によると、新型コロナウイルスは感染から症状が出るまでの潜伏期間が1日から14日で、おおむね5日で発症することが多いとされます。
政府は、1人の感染者から多くの人に感染が拡大したと疑われるクラスター(集団感染)の事例が報告されているとして、対策を講じています。ライブハウスやスポーツジム、屋形船など換気が不十分な環境にいた場合、二次感染者数が多いことが明らかになっています。
Q:感染したらどうなりますか。
A:新型コロナウイルスに感染した場合、初期症状は風邪と変わらず、7日目ごろから呼吸が苦しくなるなど重症化することがあるとされています。国内の症例では、発熱やせきといった症状が1週間ほど持続し、強いだるさ(倦怠(けんたい)感)を訴える方が多いようです。感染との因果関係は証明されていませんが、味覚や嗅覚が感じづらいといった症状を訴える感染者の事例も報告されています。
感染しても約8割は軽症で済み、治癒する人が多い一方、新型コロナウイルスによる肺炎が重症化した場合は、人工呼吸器など集中治療が必要になります。重症化するリスクが高いのは高齢者や、糖尿病、心不全、呼吸器疾患などの持病がある人、人工透析を受けている人などです。
発熱やせきなどの呼吸器症状がなくなり、鼻腔(びこう)や気管からウイルスを検出できなくなったら「治癒した」と判断しています。
中国疾病対策センターによると、中国で新型コロナウイルス感染症と診断された約4万4千人のデータ分析で、息苦しさなどを認めない軽症例が80%以上と多くを占めており、呼吸困難が生じる重症や呼吸不全に至る重症例は20%未満と報告されています。
(4月10日 13:52 沖縄タイムス)
- 0 いいね