- なんでも
- 昌泰
- 20/03/21 11:55:05
【共産主義とは】
私有財産制(個人が自分の財産を持つこと)を廃止して、全財産を社会全体の共有にしようとする思想のこと。
財産をすべて徴収するか、それが無理でも高い税金を課してなるべく民間にお金が残らないようにします。
人々としては財産が手元にないので不安ですが、共産主義を管理する立場である共産党からは「心配するな。俺たちエリートが計画的・効率的に再配分していい暮らしをさせてやるから」と言われてしまいます。
要するに「私有財産を奪われると生殺与奪の権を握られる」ということです。極端に言えば、エサを待つ動物と同じ状態に置かれるわけです。
ご主人様(国あるいは共産党)の機嫌を損ねてエサがもらえなくなればペット(人民)は死にます。逆らうことはできません。要するに「自由の死」です。
自由を殺したければ簡単です。私有財産を奪えば完了なのです。
この状態では、国家や党がどんな圧政を行っても、逃亡することも抵抗することも困難になります。
共産主義の国では、経済はすべて共産党による計画に基づいて行われ(計画経済)、それ以外の国民は全員が労働者になります。お金の使い方は制限され、必要な物資は国から配給されます。
現在では、中国や北朝鮮などがこの体制をとっています。日本共産党も同じ理念を掲げています。
なお、中国は、計画経済が破たんした結果、資本主義経済を取り入れるようになったので、厳密には共産主義国家でもありません。
ただし、支配体制だけは今でも共産主義を取っています。
そのため共産党幹部などの経済活動だけが厚く保障され、むしろ貧富の差が拡大しました。
また、共産党一党独裁体制を維持するために、共産党にとって都合の悪い人が強制的に矯正施設に入れられたり、消息不明になるなどの事件が続発しています。
もし民主主義国家のように「為政者が悪いなら選挙で交代させられる」というシステムがあれば、圧政に対してもどこかでストップをかけることができます。
ところが共産主義は原則として「一党独裁」であり、共産党への対抗勢力がありません。やりたい放題の共産党を牽制してくれる勢力が存在しないわけです。
三権分立にもなっていないので、悪政を行う内閣や官僚組織(行政)を、議会(立法)が抑えるということもありません。両方とも共産党員がやっているからです。
共産主義社会とは、資本家が一人もいてはならない社会です。決して「いろいろな考え方の一つとして共同経営もある」というような穏やかなものではありません。
そして、共産主義思想を体系化したのカール・マルクスは、「労働者が暴力によって資本家を打倒する」「それが歴史の必然である」と説きました。革命を起こすための暴力を肯定したわけです。
「正しい目的のためには、手段としての暴力は許される!」というメッセージがマルクスの思想の中に入っています。
こうなると革命のときだけで済むわけがありません。革命が成就した後も、当局は都合の悪い人々を延々と暴力で粛清していきます。
共産主義社会には、もともと為政者を暴力へと誘う構造的問題があるわけですが、マルクスが暴力を認めていることによって「心理的リミッター」が外れてしまうのです。
あー、あいつら邪魔だなあ。
↓
正しい目的のための暴力は許される。
↓
殺せばいっか。
となるわけです。
理想の社会を実現するために反対するものは許さない。むしろ暴力を用いてでも排除する。人殺しさえいとわない。それがマルクスが訴えた内容でした。
そして彼らは自国のみならず、世界中が共産主義国家になるべきだと考えます。これを「世界共産化」と呼んでいます。特に中国が軍事力を急増させているのはこのためです。
共産主義思想に基づき、国内では独裁体制を維持し、国際社会では世界の共産化を目指す。このことが中国や北朝鮮の憲法に明記されています。
終わり。
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