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- 明応
- 19/12/11 14:07:40
2019.12.10 05:00
■12月10日 あのおびただしい数の「くまのプーさん」たちは一体どこへ行くのだろう。フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルの男子フリー(7日)を見ていて思った。大逆転を目指した羽生結弦が演技を終え、がっくりと氷上にひざまずいている間も、お約束のプーさんの縫いぐるみが雨あられと投げ込まれた。
いつもの光景とはいえ、本人は4種5本の4回転ジャンプを跳び精根尽きたところだけにちょっぴり異様だった。「フラワーガール」と呼ばれる花束少女たちも両手に持てるだけ持って懸命に回収していた。聞けば最後は主催者から子供たちにプレゼントされるケースが多いという。
小欄は1984年サラエボ五輪前後にフィギュアを担当したが、当時は遠慮ぎみに花束が何本か投げられる程度。変われば変わるものだ。「韓国ではキム・ヨナの全盛期に2トントラックで投げ入れ品を回収したという話がある。日本も同じ頃からで羽生の出現で一気に過熱したのでは…」と関係者は話す。
好きな選手の手にというファンの気持ちはわからなくもない。しかし、フリーで羽生は最終滑走者ではなく黄色く染まったリンクでは最後にSP首位のチェン(米国)が控えていた。チェンに対しリスペクトの気持ちがあれば、演技の妨げにもなりかねない投げ入れはできないだろう。
19日に始まる全日本では競技進行と観客の安全確保のため投げ入れが全面禁止になったのも無理ない。プーさんを投げるファンは熱心で競技としてのフィギュアに確かな目を持っているはずだ。投げ入れはそろそろ卒業し、いい演技にスタンディングオベーションでたたえる本来の応援に戻る潮時ではないか。 (今村忠)
https://www.sanspo.com/etc/news/20191210/amk19121005000001-n1.html
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