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- 匿名
- 19/10/31 10:21:57
2019年10月31日 03:48
31日未明、那覇市にある「世界遺産」の首里城跡に復元された「首里城」から火が出て、城の中心的な建物の「正殿」などが全焼しました。城内では火の勢いはおさまりつつあるものの、一部の建物は現在も燃えていて、消防が消火活動を続けています。
31日午前2時40分すぎ、那覇市首里当蔵町にある「首里城」から煙が上がっていると消防に通報がありました。
消防車30台が出て消火にあたっていますが、この火災で城の中心的な建物の「正殿」のほか、「北殿」や「南殿」も全焼しました。
消防によりますとこれまでに合わせて4200平方メートルが焼失したということです。
発生から6時間余りがたち、火の勢いはおさまりつつあるものの、現在も「正殿」の西側にある「奉神門」が燃えていて、消防が消火活動を続けています。
消防によりますと、出火したあと現場に駆けつけた消防隊員から「正殿」のあたりから炎が上がっていると報告があったということです。
その後、「正殿」の近くにある「北殿」と「南殿」に燃え広がったということです。
那覇市は午前6時20分、首里公民館と石嶺公民館に避難所を開設しました。
市は午前6時から城南小学校にも避難所を開設しています。
那覇市役所によりますと午前7時現在、石嶺公民館に3人、城南小学校には6人が避難しているということです。
城南小学校には一時、30人が避難していたということです。
首里城公園は
首里城公園は那覇市東部の市内を一望できる高台にあり、沖縄都市モノレール「ゆいレール」の首里駅のすぐそばにあります。
首里城公園の周辺には学校施設が複数あり、城西小学校、首里高校、それに県立芸術大学の首里当蔵キャンパスが隣接しています。
首里城公園は、来年の東京オリンピックで行われる聖火リレーの沖縄県内のルートにもなっています。
県の実行委員会は、沖縄の歴史や文化の魅力、そして平和の大切さを国内外に発信することを踏まえてルートを選定していて、首里城公園は、県内で初日となる来年5月2日のスタート地点となっています。
■「琉球の象徴」
首里城の復元や保存の作業に携わり琉球王国の歴史が専門の琉球大学の高良倉吉名誉教授は「炎に包まれている首里城を見て絶句した。沖縄戦で失われた琉球の歴史の象徴的な存在の首里城をよみがえらせようということを合言葉に、30数年前から復元プロジェクトに携わり、その作業は多くの人間の知恵の結晶でもあった。首里城は建物だけではなく、内部の道具類なども当時のまま復元していて、現実を受け止めきれていない」と話していました。
また首里城の復元に携わった沖縄県立博物館・美術館の田名真之館長は火災の映像を見て「復元の苦労を知っているだけに火災は信じられません。資料がなく、宮大工もいない中で、材料になる木を台湾から持ち込むなどして復元が進められた多くの人の英知が詰まっている建物です。ことばにならない思いです」と話していました。
■那覇市の中心部で号外
那覇市の中心部では、午前7時半すぎから、地元の新聞社の号外が配られました。
那覇市の20代の女性は「ショックが大きいです。ちょっと想像を超えた燃え方だったので、驚きました。小学校の時に、社会科学習で訪れるなど、身近なところでした。これから寄付とかの動きが出てきたら、少し協力できるかなと思います」と話していました。
宮城県から観光で訪れた50代の男性は「残念です。きのう、こちらに来ましたが、朝、テレビを見てびっくりしました。以前に訪れたこともあるだけにショックが大きいです。一日も早い復旧復興を祈るばかりです」と話していました。
■城間市長「落胆の思い」
那覇市の城間市長は午前8時すぎから市役所で記者会見を開き、「歴史的な財産、シンボルを失い落胆の思いだ。そして観光でまずは首里城に行こうという人たちのことを考えると残念でならず、観光への影響はとても大きい」と述べました。
https://i.imgur.com/QDkO9HB.jpg
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