飯豊まりえ、“印象の薄さ”を活かした受けの芝居で得た新たな評価

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    • 元治
      19/10/04 11:05:06

    ■素朴さや繊細さ、感受性の豊かさと不思議な包容力
     さらに、伊藤健太郎×玉城ティナの映画『惡の華』では、高校生になった春日高男(伊藤)と交流を深める常磐文を演じている。憧れの女子・佐伯(秋田汐梨)の体操服を盗むところをクラスの問題児・仲村(玉城)に見られた中学生男子・春日(伊藤)が、秘密をネタにある契約をもちかけられる。本作では、思春期特有の鬱屈した感情や強い自意識、行き場のない衝動などが描かれていくが、メインの3人が非常にハマり役であるだけに、実はかなり難役なのが飯豊の演じる常磐だった。

     常磐は、秘密を介して結ばれる春日と仲村の共犯関係に傷つき、嫉妬し、ダークサイドに堕ちていく佐伯との三角関係がいったん終わりを告げた後に登場する。
    つまり、世界観が完全に出来上がったところに入り、次のステージに移行させる存在なのだ。美人で快活で男子にも人気がある常磐は、ともすれば立ち位置的に、嫌な女にもなりかねない。だが、飯豊が演じることで、実は文学好きでちょっとこじらせている感じに愛嬌が生まれ、優しそうな雰囲気には繊細さや寂しさが漂うのだ。

     優等生の佐伯を嫉妬により闇落ちさせてしまった春日と仲村の隔絶された世界。
    そこに、自然にスルスル溶け込めるのは、飯豊まりえの持つ素朴さや繊細さ、感受性の豊かさと、不思議な包容力のなせる技だろう。

     母性的なあたたかさやたくましさによる包容力とは別の、傷ついた心と共鳴し合う、理解者としての包容力が彼女にはある。
    キラキラ系女子を演じるよりも、危うさや不安、傷ついた心に寄り添う、ある種の癒し系女優としての道こそが飯豊まりえにはよく似合う気がする。

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