- なんでも
- 永観
- 19/09/10 11:15:54
例えばここに、Aさんという人がいた。いいですか。
このAさんは生まれて今までずっと功徳を積んでいたので、
このままだと天界へ生まれ変わります。
ここまでは、わかるかな。
ところが、このAさんには慢が生じてきて、この後、悪業を積むので、
そして寿命尽きるころには、地獄に落ちるほどの悪業を積んで死んでしまう。
こういう前提があります。わかりますか。
すべてを知っていて、生かしておくと悪業を積み、地獄へ落ちてしまう。
ここである人は、生命を絶たせたほうがいいんだと考え、
Aさんを生きていられなくさせた。
Aさんを生きてられなくさせたこの人は
いったいどんなカルマを積んだことになりますか。
殺生の罪でしょうか?
それとも高い世界へ生まれ変わらせるために善行を積んだことになりますか?
俗世間的に見るならば、これは殺生、つまり殺人ですね。
俗世間的というのは俗な人間がその人なりに客観的な見方をした場合です。
しかし、真の愛の考え方が背景にあるならば、
これは立派に善人を天国へ送り届ける行為です。
そして、智慧ある人は――ここで大切なのは智慧なんだ。
智慧というのは――わたしが先程何て言ったかわかるかい?
――神通力と言ったよね。
智慧ある人がこの現象を見るならば、
この殺された人、殺した人、共に利益を得たことがわかります。
ここまでは、OKかな?
ところが智慧のない人、凡夫がこれを見たならば、「あの人は殺人者」と見ます。
わかるかな?これは。
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