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- 康暦
- 19/07/12 19:31:34
立候補した父親が演説する様子を高校3年の娘が動画で撮影し、無料通信アプリ「LINE」(ライン)で友達に送った――。こうした行為も、場合によっては選挙違反になってしまいます。うっかり選挙違反をしないためには、年齢がカギになります。普段からSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使っている18歳未満の人たちは、注意が必要です。【岡崎大輔】
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3年前に18歳選挙権が誕生
選挙運動は判例上、「特定の候補者の当選を目的として、投票を得、または得させるため、直接または間接に必要かつ有利な行為をなすこと」と規定されています。
選挙権年齢は、2016年に改正公職選挙法が施行されたことで20歳から18歳に引き下げられました。憲法改正の方法を定める国民投票法が14年に改正され、改憲の賛否を問う投票年齢が18歳以上になったことがきっかけでした。これに合わせて選挙権も見直されたという経緯があります。
15年の国立国会図書館の調査によると、世界199カ国・地域のうち、176カ国・地域で18歳までに選挙権を認めています。日本の引き下げは、その流れに沿ったものといえるでしょう。
法改正の結果、18歳か、17歳かが、法律上、選挙運動をできるかどうかの分かれ目になりました。
違反した場合は罰則も
公選法137条の2は「18歳未満の者は、選挙運動をすることができない」と明記しています。違反した場合は、1年以下の禁錮または30万円以下の罰金という罰則も設けられています。
たとえば、18歳未満の人は街頭演説の動画を自分で撮って視聴することは問題ないのですが、不特定多数の人が視聴できるようにしたり、友達に送ったりすることは禁じられています。冒頭で紹介したケースは、高校3年の娘が18歳であればセーフ、17歳であればアウトになります。ちょうど年齢が切り替わる高校3年生は、より注意が必要かもしれません。
ブログ書き込みも注意
政治家や政党の公式アカウントの選挙運動メッセージをリツイートする▽選挙運動メッセージをブログや掲示板に書き込む▽選挙運動のサイトをフェイスブックなどのSNSで友達にシェアする――などの行為も18歳未満の人が手がけると、違法になってしまいます。友達に誘われたとしても、選挙メッセージをブログに書き込むような行為は控えましょう。詳しく知りたい人には、総務省と文部科学省が作成した生徒、教師向けの副教材などがあります。
ちなみに、メールを使った選挙運動ができるのは、候補者と政党に限られています。たとえば、一般の有権者が選挙運動のメールを転送することは認められておらず、罰則(同)も規定されています。こちらは年齢を問わず、注意が必要です。
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この連載は毎日新聞社とYahoo!ニュースによる共同企画です。参院選を新たな目線から伝えます。
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