- なんでも
- 寛弘
- 19/07/08 08:42:29
放射性物質が海水中を浮遊し、広く拡散していることは勿論、海底にもかなりの量が蓄積されているため、「回遊魚」も「底物」(カレイ・ヒラメ、貝類等)もアウトである。
東電は、この汚染水をALPS(アルプス)という放射能除去装置でろ過し、トリチウム以外の放射性物質は、ほぼ除去できていると主張してきた。除去できずに残るトリチウム水は、タンクに貯蔵し、福島第一原発の敷地内で保管している。その量は、今年3月時点で約105万立方メートル(タンク約860基)に及ぶ。
増え続ける汚染水に頭を悩ませてきた東電や経産省は、13年から有識者委員会を立ち上げ、処分方法を検討してきた。そこで「安価で簡単な方法」として有力視されてきたのが、海洋放出なのだ。
「東電や経産省、それに本来は原発の安全性を厳しく審査する、規制委員会の意向です。規制委員会の田中俊一前委員長は、早い段階から、『薄めて海に流せば問題ない』と発言していたし、東電も12年には、『永遠に溜め続けることはできない』と会見で言っていました」
そもそも、処分を急ぐ必要はないという専門家も少なくない。
原子力発電所の設計に携わってきた技術者の後藤政志氏は「石油備蓄用の10万立方メートル級の大型タンクに入れ替えれば100年は保管できる。その間に、放射能の影響も少なくなる」と提唱し続けている。
ではなぜ、海洋放出を急ぐのか。
「五輪招致で、安倍首相が『汚染水の影響はコントロールされている』と発言した手前、東京五輪前に処理の目処をつけようという経産官僚の忖度が働いている」
こう分析する元・経産官僚の古賀茂明氏は、規制委員会の問題も指摘する。
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