• No.3 主 文久

    19/06/04 11:52:33

    ないがしろにされてきた被害者

    1999年に山口県光市で起きた母子殺害事件の被害者遺族、本村洋さんは『〈犯罪被害者〉が報道を変える』で、メディアスクラムについてこう述べている。

    《取材報道された被害者が『メディアスクラムに遭った』などと言うけれど、逆に、報道されず『私のところには来てくれなかった。あなたはいいですね、たくさん報道されて』と私に言う人もいる。ここがすごく被害者報道のむずかしいところだと思う。》

    《メディアスクラムだけが問題ではないのです。メディアスクラムに遭う人は年間20人もいないかもしれない。その裏側に、取材してほしかった、こんなこと伝えたかった、事実はこうじゃない、そういう思いを抱えた人も多くいることを知っていただきたい。》

    そのうえで津田教授は、かつて被害者に対する取材がないがしろにされてきた歴史がある、という。

    「被害者の方が注目されるようになったのは1990年代後半からです。それまでは、加害者の側の異常性をほじくり返すような報道が一般的でした」

    「2000年に全国犯罪被害者の会が結成され、(それまで犯罪被害者が声を上げる場を設けていなかった)司法制度のなかで犯罪被害者の声をあげ、メディアがだんだんと取り上げるようになってきたという歴史があります。果たして、それ以前に戻ってしまって、良いのでしょうか?」

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