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- 19/03/01 20:18:43
「生きた化石」として知られるカブトガニは、実はクモと同じ仲間であることが、新たな研究で示唆された。
■これまで考えられてきた道筋
カブトガニ類もクモ綱も、さらに上位の大きな分類である「鋏角(きょうかく)亜門」に属していることは、以前から分かっていた。しかし、厳密な意味でどれほど近い関係なのかは謎だった。
カブトガニ類は、血液が青く、穴を掘る習性がある。最古の化石は4億5000万年前のものだ。ちょうどその頃、クモ綱の動物も出現し始める。これまでカブトガニの出現は、次のように考えられてきた。まず、クモ綱の動物とカブトガニは、ある種の水生鋏角類と思われる共通祖先から枝分かれした。片方の系統はすぐに陸に上がり、10万種にも多様化し、今日のクモ綱になった。
もう片方の系統であるカブトガニ類は、海にとどまり、いくつもの大量絶滅期をほとんど姿を変えずに 生き残った。
今日まで生き延びたカブトガニは、わずかに4種。体長30センチを超えるものもある。これが従来の説だった。
■ 実は同じクモ綱
近年、これまでの説に異を唱えるような研究結果が、バイェステロス氏や他の研究者たちから出されている。遺伝子配列を解析した結果、クモ綱に「近い」系統としてカブトガニが存在するのではなくカブトガニはクモ綱に「属する」と示唆されたのだ。
今回の研究では、53種のクモ綱、カブトガニ、ウミグモ綱(その名にもかかわらず、実はクモではなく、鋏角亜門内の別系統)のほか、甲殻類、昆虫の遺伝子配列を解析し、その結果をうまく説明できる系統樹を複数作って検討、この結論に達した。
検討した系統樹の多く(およそ3分の2)では、カブトガニ類をクモ綱内のクツコムシ目に最も近縁なグループだと位置付けている。
ナショナルジオグラフィック日本版サイト
natgeo.nikkeibp.co.jp
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