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- ペルセウス
- 18/10/15 12:27:22
自治会への加入は任意のはずなのに、家賃と一緒に会費を引き落とされて退会できない-。佐賀市の40代女性から特命取材班にこんな相談が寄せられた。どんな仕組みなのか。取材を進めると、地域の担い手として期待される一方で、活動の継続に悩む自治会の姿が見えてきた。
女性は1年前に、県外から佐賀市の賃貸アパートに引っ越した。入居契約書に自治会費という記載はあったものの、不動産会社からは、本来任意加入であることの説明や加入意向の確認はなかった。毎月600円の会費を徴収されている。「会長が誰かも知らないし、水路掃除への参加を求められたこともない。一切関わりがないのに何で加入しなきゃいけないの」
総務省によると、自治会や町内会は、安全で安心な地域づくりのために住民が自主運営する組織で、加入義務はない。高齢者や子どもの見守り、防犯対策、交流行事など活動状況は地域によってさまざま。近所づきあいが希薄な都市部では参加しない人も多い。女性も退会を考えたが「変なうわさになると住みづらくなる」と言い出せずにいる。
「加入促進のために入居条件に入れる物件は珍しくない」
こうしたケースは珍しいのだろうか。記者が、これまでに自分が住んだ賃貸マンションを調べてみた。すると6軒のうち3軒の契約条件に「自治会費」や「町内会費」が盛り込まれ、入居するには加入するしかない状況だった。現在住む福岡市の物件も同じ。管理会社が会費を集めて町内会に納めている。
東京、大阪などでも賃貸マンションを扱う管理会社は「加入促進のために入居条件に入れる物件は珍しくない。集金も管理サービスの一環で、払わない住民に代わって私たちが納めることもある」と明かした。
記者が加入する町内会の会長は、古びた一軒家の男性(78)だった。「14~15年前から会長をしていて副会長や会計はいない。参加者がいなくて総会も開いていない」
集合住宅が多いこの地域では、「個人情報の壁」で加入者やその数も把握できていないという。管理会社などから年間約60万円の会費が町内会口座に振り込まれ、そこから自治連合会の会費や、日本赤十字社への寄付などを支出している。活動実態はなく「決算書は作っていない」。
会長1人で管理する口座通帳も見せてもらえず、管理会社が適切に会費を納めているかどうかや、使い道は確認しようがなかった。
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